高台に立つ家に詰め込んだ理想と乗り越えた現実。a__s__homeさんのおうちを探索!
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家づくりにおいて重要な土地。理想の間取りも設計も土地の形状次第では叶わないことも。誰しもが理想の土地と出会えるわけではない中で、自分たちなりの家づくりをするのはとても大変です。
高台の風通しの良い土地に家を建てたa__s__home(asa)さん。なかなか価格と折り合う土地を見つけられない中、偶然にも今の土地に出会います。
心地よい風、建築士も後押ししたその土地で家づくりをスタートさせますが、そこには様々な課題が待ち受けていました。
本来は避けて通りたい”妥協”を重ねながらも、ご夫婦のコダワリや好きを詰め込んだ家づくりについてお話を伺いました。
風通しが良い高台の土地に出会えて
asaさん
我が家は、コンクリートでできたガレージの上に立つ少し変わった形状です。土地探しに苦労している中、たまたま見つけた物件は風の通りがとてもよく、気持ちが落ち着くのと同時にこの場所へと引き寄せられたのを覚えています。
都内への通勤を考えるとどうしても土地の相場が高く、理想とする土地探しには苦労しました。散々物件を見ていた際にこの土地が値段も手頃!同行した建築士さんもすごく良いと背中を後押ししてくださり決心しました。
以前から自分たちの好みの家づくりをしたい、そんな夢を持っていました。当時はリノベーションされた賃貸マンションに暮らしながら情報収集を進めていましたが、自分たちに合う設計事務所、建築士さんには出会えず。
なんだか気持ちも焦り始めたころ、こちらもネットで偶然見つけた建築事務所が、雰囲気や好みもあっており、なおかつ近所にあったので話を伺い意気投合して契約に至りました。
変わった形状からの制約
素敵な設計事務所に出会え、そして建築士さんも後押しする土地にも出会え、さぁ理想の間取りを完成させるぞ、と意気込んでいたところに一つ落とし穴が。
土地が相場より安いのにはやはり課題があり、耐久性も考慮し駐車場のコンクリート部分には家を建てないほうがいい、といったアドバイスを受けました。なおかつ斜線制限や建ぺい率の問題もあり、建築士さんは色々と苦労されたようです。
それでもとても納得のいく家づくりができましたので、各部屋をご紹介していきたいと思います。
LDKが楽しい!1階に詰め込んだコダワリ
木の温もりとモルタルやアイアンの無機質な雰囲気を組み合わせ、ひとつひとつの素材の持ち味を大切に、シンプルだけど飽きがこないようなインテリアを目指しました。
私たち夫婦は好みがとても似ているので家づくりで揉めたりはしませんでしたが、似ているからこそ自分たちのやりたい理想を詰め込みすぎたかもしれません。
玄関を入ると広めの土間と、アイアンを使った階段が出迎えてくれます。そして正面にはそのままLDKへと繋がる間取り。4面のガラス扉があり、木枠も取り入れたかったので造作にしたお気に入りの一つです。
扉を閉めると冬場は暖をとれますし、お店のような雰囲気もでます。一方扉を開ければ土間まで広がる開放的な空間になり、ひと部屋となっているような雰囲気をつくってもらいました。これからの季節はデッキから玄関へと風が通り抜けて気持ちがいいです。
古道具が好きなので何処かに取り入れたいと考えており、土間玄関にパタパタ下駄箱を置きました。スイッチはすべてアメリカンスイッチを採用し、シンプルかつ家の雰囲気に馴染んでいるのでとてもお気に入りです。
憧れだったモルタルキッチン
入って右手にはキッチン。夫婦でずっと憧れていたモルタルを採用。ずっしりとしたモルタルの存在感と、グレーの色合いが主張しすぎず、気に入っています。
キッチンはサンワカンパニーのグラッド45。コンロはハーマンと迷いましたがリンナイを採用。オールステンレスで構成されたキッチンは格好いいです。
立ち上がり部分には特殊加工を施していただいたので、今のところ水ハネやクラックは気になりません。コンロは油を使う際にはレンジガードを使用するようにしています。
キッチン背面に関しては、窓のあるキッチンなど色々と理想がありましたが、予算などの関係で断念しました。しかし食器棚は古道具で合わせたいと当初から考えていたので、現在のキッチン背面のサイズに合わせて探し、サイズは小さくなりましたが、この空間ピッタリの食器棚が見つかり今となってはお気に入りです。
収納容量も見た目よりかなり収納できるので、今のところは不便は感じず、コレクションしている器たちもしっかり収まっています。
開放的なリビングと秘密基地
リビングには自分たちの理想としていた空間と、結果的に開放的な空間になった二つの要素があります。
まずキッチンから正面にテレビがあり、壁はモルタル。キッチンの腰壁とリビングの壁にモルタルを採用し全体を落ち着いた雰囲気に。床材は幅広の無垢のオーク材、壁は漆喰です。家具は古道具とヨーロッパのヴィンテージ家具を取り入れ、色のトーンは合わせつつジャンルを絞らずに好きなモノを集めたリビングになっています。
続いて左にあるテラスからは日差しがたっぷり差し込みます。
理想としてはプライバシーが守られた中庭をつくりたかったのですが、土地の構造上中庭は難しく、駐車場のコンクリート部分を庭にあててもらいました。
リビングからの延長でウッドデッキを造ってもらい、全体を塀で囲い周囲からの視線を遮ったので、プライバシーを確保しつつ広くゆったりとしたスペースになりました。
窓をあけるとリビングがデッキまで続き、一つの部屋のように感じます。これからの季節、窓を開放しリビングと行き来する暮らしも楽しみです。高台にあるため、風の通りは本当に気持ちがよく、結果的に満足しています。
スキップフロアの先に秘密基地
秘密基地のような空間もどこかに取り入れたいと話しており、建築士さんが要望を叶えてくれたのがリビング横にある書斎です。
加えてスキップフロアや室内窓も採用したいと伝えていたろころ、その要望を上手く書斎に組み合わせていただいたお陰で、より秘密基地のような空間に仕上がりました!
リビングよりも天井を下げ、床材はパーケットフロアに。こちらの空間だけグレーの漆喰壁にしたお陰で、より篭り感がある書斎となりました。この並びにトイレがあり、なんだかトイレまで落ち着く空間になっています。
室内窓はマテリオドロッグリさんでオーダーしたものです。木枠も憧れだったので悩んでいたのですが、こちらをオーダーして良かったです。リビングから書斎が少し見える感じも、空間演出となってお気に入りです。
雰囲気を変える折れ階段
階段は鉄骨階段を採用し、シンプルだけどデザイン性があるものを設計してくださりました。鉄骨屋さんが試行錯誤しながらつくりあげてくださったそうです。贅沢にも屈折階段となっていて、踊り場はひとつのアートスペースになっていてお気に入りです。
1階の温かみのある雰囲気とは異なり、踊り場にはアーティストのアート作品を飾り、海外のアパートをイメージした2階へと繋ぐ役割にもなっています。
階段を登ると黒枠で白塗りの扉と夫婦の趣味部屋が。
フリースペースには音楽機材やレコードが置いてあり、視線の先には大きなFIX窓。ゆったり音楽を聞きながら外の景色を眺められる気持ちの落ち着く場所です。
できる範囲で最大限コダワル
この眺望も高台だからこそ得られたもの。建築上かなり妥協した点や苦労したところはありましたが、この土地だからこそ出会えた暮らしもここにはあります。
我が家はLDKをメインとした家づくりにしたのでシンプルなつくりではありますが、「温かく楽しい家」を目指し、夫婦の好きなモノや理想を取り入れたおうちとなりました。どなたかの参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
高台のある家の写真をみて、どんな家づくりだったのかお話を伺ってみたくasaさんにご連絡をしました。
図面だけでは伝わってこない、土地には色々な形状があります。そしてそこには様々な要件があることは想像できますが、お話伺うとasaさんの家づくりにも大きな課題がありましたね。
とはいえ、それを感じさせないインテリア。asaさんご夫婦のセンスと決断、建築士さんとの相性もあったんだろうなと思います。全ての箇所に選んだ、採用した理由があるのもそのあわられです。
古道具やヴィンテージ家具が好きなご夫婦。この家が歳を重ねれば重ねるほど、もっと味のあるおうちに変わっていくんだろうなと思います。20年後とかまたお話お聞きしたいです(笑)
asaさん、ありがとうございました!
(編集:編集長)
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