我が家は白いキャンバス。”好き”をブリコラージュしながら暮らしを楽しみたい。_hknhomeさんのおうちを探索!
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シックでシンプルなどこか大人びた存在感のある黒いキッチンと、三姉妹の娘さんたちが調理を楽しむコントラストが印象的な_hknhome(chiakiさん)のおうち。
白を基調としたおうちに、古材や黒の質感に加え、緑と日差しが交わる洗練されたインテリアに一目惚れ。
お話を伺っていくと、細部まで考え抜かれた職人技と、chiakiさん・設計士さん、そして工務店さんが高みを目指したコダワリが穏やかな日常の中に隠れていました。
これが私たちのスタンダード
chiakiさん
我が家の家づくりはコダワリの強い私たちの注文を受け入れてくれ、施工もしっかりしている会社を探した結果SUBACOさんにたどり着きました。
設計士さんが私たちの想いを一切否定することなく最後まで受け止めて、打ち合わせの度に最善の策を考えてくださる姿勢に感動しました。
施工中は、棟梁に「できるだけ現場に足を運んで欲しい」そう言われるがままに、時間の許す限り現場へ通いました。もの作りに熱い想いを持つ職人さん同士、お互いより良い家づくりをと高めあう姿を目の当たりにし、私たちはなんて幸せなんだろう!そう感じたのを覚えています。
そんな最高の設計士さん、職人さんと一緒につくった我が家のコダワリについて少しご紹介させてください。
ずっと好きでいられるキッチンを求めて
職人さんたちとつくる家づくりはとても楽しいものでしたが、素材探しからインテリア、細かな設計には大変苦労しました。
キッチンでこだわったのは、家族5人や友人たちと一緒に料理をするときにストレスを感じない広さとスペース、そして素材でした。
旧宅はとても狭いキッチンでしたが、お手伝いしたい年頃の三姉妹と一緒に4人でよくキッチンに立っていました。ですから新居のキッチンは広くて作業ができる、例えばピザを作るときに、あっちでは生地を伸ばし、こっちでは食材を切り、最後にみんなで飾り付けができる、そんな4人でも手狭にならないスペースを求めました。
またシンクの位置も悩みましたが、キッチン横にある冷蔵庫から材料を取り出す際に、一歩で材料を置くスペースがないと不便だと思い、あえてシンクを真ん中へ。冷蔵庫から食材を出してシンク右側に置く→材料を洗う→シンク左側のまな板で切る→後ろにあるコンロで調理、といった動線にしました。
我が家のキッチンはkitchenhouseのフェニックス。
当初は造作のキッチンを検討したり、カフェ風のモルタルを使ったキッチンにも憧れたりと、本当に迷いました。その度に、流行だからカッコいいのか?それとも本当に自分の好みなの?と自問自答を繰り返しながら、”自分たちがずっと好きでいられるスタンダードってなんだろう?“と考え続けました。
そしてこのキッチンに出会いました。決して奇をてらうようなデザインではなく、シックで落ち着いた佇まい 、マットな質感、これなら私たちのスタンダードになれそう、そう感じました。また素材が丈夫で汚れやキズへの耐久性が高いことも後押ししました。
決して広いとは言えない家の中でひときわ大きいキッチン。
こどもが三人とも料理やお菓子づくりが好きなのと、私自身もキッチンにずっと立っていたいくらいなぜかキッチンが好きなので、自然と家の主役に。梅シロップや、イチゴジャム、干柿つくりなど、季節とともに過ごす場所です。
我が家は天窓からの採光をところどころに施してあります。キッチンもその一つ。
キッチン背面には天窓があり、手元が明るいといった実用面だけでなく、丁寧な仕上げもあって柔らかい光が、直射とはまた違った美しさがありとても気持ちが良い空間になりました。
余談ですが冷蔵庫はどちらですか?と聞かれることがあります。実はキッチン向かって左側の奥に冷蔵庫とちょっとしたパントリーがあり、そこに家電なんかも置いています。
来客時に冷蔵庫の中が見えないようにすること。また料理をしている人と冷蔵庫を使う人の動線が重ならないようにすること。この二点が主な理由です。
先述しているとおり自然と家族や友人が集まるキッチン。料理〜テーブルセッティング、こどもたちや来客へお茶を出したり片付けをしたりと、同時進行で動きのあるキッチンで交わらない動線は大切だなと思います。
ちなみに表に出したくなかった給湯スイッチやインターホンなんかもこちらに隠しました。
「神は細部に宿る」職人さんと手がけたリビングダイニング
リビングは5人家族にしては小さいほうだと思います。我が家はゆったりと食事をするのが好きで、多くの時間をダイニングと並列するキッチンで過ごします。それでもリビングとダイニングで一緒におしゃべりができる距離感は大切にしたくて、リビングとダイニングが繋がった間取りにしました。
家の雰囲気を大きく左右する床材はADWORLDのNONORDO(ノルド)で、LUTを採用しました。
住宅っぽさよりも、お店っぽい方が好みで、幅広である点、ヴィンテージ感、グレーがかった色合いに惹かれました。正直かなりの予算オーバーでしたが、迷わず奮発しました。
美しくタフな無垢のフローリングは、水シミも付きにくく、足触りが最高で非常に気に入っています。
貼り方も定尺貼りか乱尺貼りかでかなり迷いました。それぞれの美しさがありましたが、棟梁と相談し実際に並べつつ、一晩悩んだ末乱尺貼りへ。期待通りで家っぽさがなくなって採用してよかったなぁと思っています。(下の写真は施工当時、棟梁と一緒に悩んでいた時のもの)
交わる美しさ、我が家の階段
リビングに存在感ある階段。
設計当時、写真でみた海外のおうちにあった美しい階段をみて、このデザインでお願いします!と伝えたものの、技術的には難易度がかなり高かったそうです。
できる限り現場に足を運んで欲しい、そう仰った棟梁も、この階段の施工期間中(約一週間)は集中させてくださいとお願いされたほど。
正直ここが好き、というよりは、全てが好きです。
一つ一つの段は鋭角で美しく組み合わさっていますが、踏み板の下にスリットが入っていることで軽やかに見えるデザイン性。
アイアンの手すりの接着面が見えると美しくないからと、手すり部分だけ切り抜き繋ぎ合わせたことで、まるで階段から生えているように見えるところ。
加えて、階段のどこにもビスや釘が見えません。無垢の木がピタッと合わさってできた、まさに職人さんによる神業。
どれも私たちの性格やコダワリを汲み取っていただき、こっちの方が好きでしょ?なんて想いから作っていただいたこの階段。”神は細部に宿る”と言いますが、出来上がりを見た時はまさにそう感じました。
冬はたっぷりの日射しが注ぎ、庭の木の陰が映り込み、夏は逆に日射しがない。白い何もない空間だからこそ、美しい細部や、そういう季節の移ろいが映えるなあと思っています。ソファにごろんと寝転がると、大きな窓や二階の天窓から空が見えるのも癒されます。
その階段を登ると二階部分につくってもらったワークスペースがあります。ここは私の仕事場でもあり、安らぎの場でもあります。
吹き抜けの大空間でありながら、座ったときに吹き抜けの大きい窓から空や庭の木が見える景色が最高の場所で、想像以上に仕事に集中できます。
時を経て唯一無二の存在感
ダイニングテーブルは、昔よく通っていた芦屋の器屋さん「bonton」においてあったビンテージのものが好きで、聞けば海外から取り寄せたとのこと。これは無理だなと諦めていましたが、近所にあった古材の木材屋さんとたまたまお話する機会があり、そのテーブルへの想いを語っていると、同じようなデザインを古材で作ってくださいました。
古材や古道具は若い頃から大好きです。時を経てきたものにしか出せない唯一無二な存在感が好きなんだと思います。
前のマンションはコンクリート壁の無機質な空間だったのでたくさん置いてましたが、今の家では多すぎるとほっこりしすぎてしまうので、厳選して置いています。その中でも、一つの木をくりぬいて作られた捏ね鉢は使い道もたくさんあるし、存在感も抜群なので気に入っています。
キッチン道具の決め手はいかに幅広く使えるか。例えば真鍮のお玉(確か島根のobjectsさんで購入)は、見た目に味があってさらに普段でも使いやすい形なので、お鍋の時にも、普段の味噌汁を入れるときにも、そして来客でのもてなしにも使います。
あとは、お気に入りは・・・
・京都の有次の型抜きは京都に行くたびにこどもたちがひとつずつ選ぶもの。切れ味が抜群で、形も本当によくできていると思います。
・スポンジ代わりに使っている棒状のたわし(京都の内藤商店で購入)。基本的には食洗機というのもあり、これで十分だし、見た目もスポンジより好きです。
・蠣崎マコトさんのガラスジャーとobjectsさんで購入した真鍮のコーヒースプーン。この組み合わせが気に入っていて、毎朝、コーヒーを入れる度に幸せな気持ちになります。
器も好きで厳選したモノばかりなので、全部好きです(笑)
とりわけ林志保さんの鉢類(篠山archipelagoで購入)、池田優子さんのお皿(昔まだ自宅ショップをしてらっしゃった時に購入)、蠣崎マコトさんのガラスのお皿や鉢(篠山archipelagoで購入)、村上躍さんの急須とコーヒーカップ(芦屋のbontonで購入)、安藤 雅信さんのお皿や鉢(三重のyamahon 、神戸の草灯舎で購入)が好きです!
明かりで変化を生み出すインテリア
日中は太陽の光が降り注ぐ明るく開放的な我が家ですが、夜は落ち着いた暗めの雰囲気が好きだったりします。
ダイニングの照明は、ダイコーのグレアスダウンライトが4つ、ペンダントライトが1つ、そこにjieldeのフロアライトを加えた構成です。
ダウンライトは天井に光は届かず、スポットライトのような明かりで角度調節も可能です。設計当時は住宅への導入はほぼなく店舗のみ。実際どのようになるのかイメージがつかず悩みましたが、そこは店舗っぽい雰囲気が好きを優先して採用しました。
これはダウンライトのみ。ひっそりと落ち着いた雰囲気でダイニングでゆったり考え事をするのにぴったりです。
続いてjieldeのフロアライトも足してみたのがこちら。
夜の寛ぎタイムはだいたいこのパターン。夫と今日の出来事を話したり、ちょっとお酒を飲んだりと、気持ちが安らぐ明かりです。
リビング吹き抜けはシンプルなデザインを好んだので、照明器具は付けず間接照明のみ。これだけでも我が家にとってはじゅうぶん明るいです。
窓に光の筋を映すことで広がりをもたせたい、そう照明デザイナーさんに言われた時は、自分たちでは思いつきもせず驚いたのを覚えています。そのお陰もあって、この空間が美術館みたいで、床に寝転がりながら天井を眺めるのが大好きです。
この照明も真っ直ぐ美しく仕上げていただいた職人さんの手仕事。本当に美しさは細部からくるものだなぁと日々実感していますが、照明関連は暮らしてみないとわからないことも多いのも事実。
おうち作りでできたベースに少しずつ間接照明を足しながらお気に入りの空間を作っていきたいと思っています。
シンプルな空間に自分色を足す
素材、質感の良い空間に、その時々の好みやライフスタイルに応じて自分色を足していく、そんな暮らしが好きです。
こちらは洗面室。
水栓はsuppose designのcye、右手にはIKEAの収納棚を壁に埋め込み、取手は京都boltz の真鍮の取手を取り付けて、生活感を抑えたシンプルなデザインに。
また入り口のドアも直前までは既製品が入る予定でしたが、どうしても納得できず造作へ。その結果、ドア枠もなくなり、取手もお気に入りのmature ware のものにできて、外国や美術館のような雰囲気がとても好きな空間になりました。
こちらは二階にあるこども部屋です。天窓から差し込む光でとても明るい場所ですが、決して広くはないため、壁や家具は白で統一したインテリアにしました。
勉強机は厚さ35ミリ、3mのナラの集成材を、夫がDIYで作成した木のボックスにのせてあるだけです。ベッド下の3つの棚もDIY。机、クローゼット、となるべく形を決めてしまわないように、色々使い方を変えられるように考えました。
こどもの成長や、独立後に、なるべく不要なものがでないように、そのまま使えるものをイメージしています。
その時々で暮らしを楽しむ
LDKを中心に職人さんとつくりあげた我が家をご紹介してきましたが、玄関だったりお庭だったりと、まだまだ好きな場所はあります。これもひとえにSUBACOさんとの出会いが全てでした。
本物の素材でつくっていただいたおうち。この家自体をキャンバスのようにイメージしながら、選ぶ家具や道具、そして暮らし方までも一つのあり方に縛られず自由に飾ったり、使ったり、遊んだりしながら、この家との暮らしを楽しみたいと思っています。
マットでドンと大きなキッチンに惹かれてchiakiさんに執筆のご相談をしたのですが、蓋を開けてみるとキッチンだけでなく、”魅力”なんて一言では語りきれない想いやコダワリが詰まったおうちでした。
納得感のある家づくりのお役に立てればとムクリもご紹介していますし、みなさんも色々情報を集めるかと思いますが、人との出会いもやはり大切なんだなと改めて感じる内容でした。棟梁のお言葉や真剣に考えている様子が幸いにもchiakiさんのInstagramに残っていて、あぁこんな家づくりができたら本当幸せだろうなと編集しながら心動かされました。
本来編集ではいただいた文章を元に文を構成し、加筆や微修正をおこなっていくのですが、今回はアレもこコレもと素敵な一面を加筆してばかりでした(笑)
改めて暮らしの中に隠されたコダワリをご紹介できて光栄だなと思いました。
chiakiさん、ご協力ありがとうございました!
(編集:編集長)
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