「一生モノの家具とシンプルな暮らし」ギャラリーに住まう家づくり。momokan62さんのおうちを探索!
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リビングダイニングに広がる一面の土間。そこにモールテックスのキッチンが映えるおうち。シンプルで無機質なインテリアは、2メートルを超える大きなダイニングテーブルや、植物が主張できる空間です。
ギャラリーのような家に住みたかった。そうお話するmomokan62さんのコダワリや、インテリアが出来上がるまでの苦労話も含めてご紹介していきます。
理想の土間リビング、実現までに待ち受けていた大きな課題
momokan62さん
一生モノの家具や、一点モノの器や小物。わたしが大切に愛でていきたいモノ、そしてそれが映えるよう極力シンプルなデザインをイメージしていました。そしてそれに欠かせない要素は「土間」でした。
インテリアの次に立地も重要視したため、なかなか良い物件・土地の出会いはなく半ば諦めていた中で、希望の立地で予算内、さらに手入れがされていて、1階の(土間リビングにするために1階を探していました)中古マンションに出会えたことが決め手となり、リノベーションへと動いていきました。
人柄にほれたご夫婦との出会い
わたし達の家づくりで譲れないポイントとして予算も当然ありました。
シンプルなつくりではありますが「リビングダイニング全面を土間にしたい」と伝えてもなかなか理解してもらえず、予算も希望する金額内におさまることはありませんでした。結果的に工務店、設計事務所、リノベ会社、20軒は電話で問い合わせたり、直接お会いしたりもしました。
物件はあれど施工会社が決まらずまたまた困り果てていたところ、WEBサイト経由である工務店さんと出会いました。
そこはホームページが丁寧に作られていて、ご自宅を見せていただいた際にリビングが白ベースの空間に土間でイメージ通り。加えて、それまでどの会社も予算を増やす話が必ず出る中で、予算内でやりましょう!と言ってくださったこと。なにより素敵なご夫婦の人柄にも惚れてお願いする運びとなりました。ちなみに我が家のリノベーション予算は500万円でした!
マンション規定と住民会議
マンション住まいの方はご存知だと思いますが、マンションには規定・規約がとても多く、工事の工程で都度管理組合から許可をもらう必要がありました。
そして、なんとリビングダイニングの土間が管理組合から反対されてしまったのです。。。
これには流石に滅入りそうでしたが、工務店さんが住民会議まで開いてくださり、最終的に土間施工の許可を得られました。ただ残念ながら、理想としていたコンクリートモルタル仕上げは許諾を受けられず、セニベトンと言う、フランス漆喰で施工しました。
わたし達は特になにもしていませんが、工務店さんが苦労されている様子をみて、これからリノベーションをされる方はマンションの規定、管理組合の反応(ご意見)も参考にされるのが良いかと思います。
シンプルにシンプルに。極力無駄を排除
リノベーションで一番のコダワリは広く見せるために無駄をなくした点です。
カーテンやリビングの収納扉、リビング入り口のドアは天井から床まである特注サイズ。照明やレンジフードは白色にして壁や天井と一体感を出す。目の錯覚を利用して広く見せる工夫を随所に取り入れています。
それゆえ、浮いてしまう黒色のモノは絶対選ばない!と決めていたため、憧れの照明はコードが黒色だったので泣く泣く諦めました(笑)
工事の段階で、壁の中からリビング収納まで壁掛けテレビの配線をのばし、DVDレコーダーをリビング収納の中へ。購入する予定の家庭用電話機やルーターなどの配線も全てリビング収納の中へ。
隠す設計を事前に考え抜いたかいもあり、TVボードやキャビネットなど家具を置く必要もなく、色味の難しい家電も表にださずにすんでいます。
コンクリートの塊のようなキッチン
シンプルなインテリアにこの造作キッチンは欠かせません。素材はベルギーBEAL社から発売されている左官材モールテックスです。
ところどころ塗りの跡が残り、角度によって印象も変わるキッチン。土間と同じく一見グレーで無機質なつくりですが、塗りの跡が模様のようにも見え、職人の手作り感が伝わってきます。
モールテックスですが、薄塗りでコンクリートと同じ程度の強度があるといわれており、2年以上毎日使い続けてもクラックはありません。また使用したら拭き掃除をしていますが、コンロ周りの油ハネ以外にはいまのところシミは見当たりません。
・ドロップインコンロ:リンナイ縦2口
・レンジフード:サンワカンパニー/ミニマル
・水栓:グローエ/ミンタ
・照明:chikuni
好きな雑貨を飾るのは主にキッチン。名古屋にあるギャラリーをイメージして作ってもらったので、何を飾っても映えます。アイランドキッチンは飾っている作品を360度堪能できるところが良いです。
冷たさと温かみのコントラスト
ギャラリーのようにシンプルなデザインが基調だと、そこに置かれたモノが際立ちます。
このダイニングテーブルは、愛知県の木工ふくなりさんでオーダーしました。ナラ材(節あり)で、搬入できる最大限の長さで、幅は狭く。細長い形がお気に入りです。ダイニングチェアは、岐阜県のヴォールヒュッテさんにオーダーしました。
・ダイニングテーブル:w2350 d700 h720
・ダイニングチェア:ステンレス×板座×籐/ソープフィニッシュ
インテリア以外にも作家さんの作品も好きです。どれも違った顔を持っていて、我が家のキッチンやテーブルに並ぶと、その表情がよくわかります。
個展やイベントへ行き、時間をかけてコツコツと集めた食器や器は、キッチンの背面収納に全て収納しています。
雑貨も作家モノが好きで、吉田次朗さんのトルソーや、井藤さんのシェーカーボックス、chikuniさんの照明、ビルビラさんの花器などがお気に入りです。
chikuniさんのワークショップでつくった時計や、WOHLHUTTEさんの飾り棚はおうちの中でも好きなポイントです!
木枠のリビングドアには温かみを感じる
リビングの木枠ガラス引き込み戸(メーカー/パナソニック)ともお気に入りです。
他の部屋のドアを全部枠なしの白いシンプルなもの(神谷コーポレーション)にしたので、廊下側から見るとリビングドアが引き立ちます。リビング側から見ると、土間の冷たい雰囲気にあたたかみを出してくれます。
廊下はヘリンボーンでコントラストを楽しむ!
土間とのコントラストを楽しむために廊下はヘリンボーン(ハードメープルの突板)にしました。
玄関もシンプルは軸にナチュラルな印象を与えつつ、リビングのドアを開けると一面土間。遊びに来た友人もリビングのドアを開けた瞬間「わ〜〜!すごい!」と声を揃えて言ってくれるので、廊下にヘリンボーンを採用したのは大正解でした!
玄関はモルタルに、サンワカンパニーさんの下駄箱。取手がないところが気に入っています。
下駄箱の上はシェーカーボックスの中に鍵を入れて飾ったり、季節の花を飾っています。
そしてクランクマルチェロさんのブラケットライト。帰宅して一番はじめに目に入る場所に設置してもらったので、帰宅するたびにあたたかい光に癒されます。
シンプルな暮らしを大切にした我が家。念願の土間を採用したものの、寒さを引き換えにと当初は思ってましたが、断熱材のおかげで快適な冬を過ごすことができています。
年に1回ワックスを塗る作業は必須ですが、デメリットはそれくらいで、最後まで諦めずにコダワリを追求してよかったです。
「我が家のギャラリー」に住まう作品を見つける楽しみ、飾る喜びを感じながら暮らしていけたらいいなと思っています。
リビングのドアを開けた反応は誰でも同じになりそうですね!それくらい印象的です。本当個展でもひらけそうなインテリア。
「シンプル=物を減らす」ではなく、拘り選び飾る。また無理なく収納で隠す、そんな好きを追求する姿勢が本当素敵だなと感じました。思いもよらないところにハードルってあって、それをクリアしただけあって愛情もひとしおですね。
洗面室とお風呂は10年後にまたリノベーションを検討しているそうで、10年暮らしの中でどんな変化があるか、出来上がりもまた見てみたいです。
momokan62さん、ありがとうございました!
(編集:編集長)
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