【暮らしのインテリア】必要な場所に必要な灯りを配する適光適所。灯りについて考える〜素朴さの中に小さな贅沢を散りばめた21坪の平屋(hy___home21さん)
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注文住宅、マンション、アパートなどそれぞれ暮らしの中にインテリアがあり、背景には共感する点も沢山あると思います。そんな素敵な暮らしをお届けしていきます。
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よりよく暮らすための灯り
今の暮らしをするようになり、6月で3年を迎えました。
この家で暮らし始めてから「もっと家で過ごしたい」という思いが強くなり、昨年末に長年携わっていた建築の仕事から退きました。
この環境を活かして何かをスタートできたらなと色々計画中なので、また機会があればお話させてください。
さて、今回はわたしが大切にした「灯り」についてのお話をいたします。
お家を計画中の方はもちろん、素敵なお家に住んでいるけどなんだかしっくりこないなと感じられている方まで、少しでも参考にしていただけると嬉しいです。
yumiさんの前回のコラムはこちら
光とともに暮らす
朝の光と共に目覚め、昼間は窓から差し込む光を取り込み、夜は薪ストーブやキャンドルの灯りで過ごす。
そんな昔ながらの暮らしが生活の質を変え、心の豊かさを生むと思っています。幸いにも自然に恵まれている環境なので、太陽はもちろん月の動きも季節ごとに感じられます。
前回のコラムでもお話したように、季節ごとに必要な光を室内に取り込む工夫をしたので、昼間に照明をつけることはほとんどありません。
夜は日暮れが近づき少しずつ変わっていく暗さにあわせて、必要な場所の灯りを一つずつつけていきます。
真鍮のトグルスイッチのパチンという音が心地よく、灯りが増えていく空間で過ごすと慌ただしい時間でも自然と心が落ち着くのです。
明るすぎる日本の照明事情
日本では長い間、部屋の中心に一つの照明を配置して全体を照らす「一室一灯」が主流でしたが、最近は複数のダウンライトを配置する家が多くなっていると思います。
ただ、器具がシーリングからダウンライトへ変わっただけで、昼間のようにリビング全体を明るくするという、灯りに対する基本的な考え方は変わっていません。
間接照明や、ダイニングにペンダント照明などを配灯していても、天井にたくさんのダウンライトがあるために存在が薄くなってしまっているお部屋もよく見かけます。
「このカフェなんだか落ち着くな」「このレストランだと会話が弾んで居心地がいいな」「宿泊したホテルやお宿の部屋がなんだかリラックスできるな」
そんなふうに非日常な場所で心地よさを感じることって多いですよね。それらに共通するのは「照明(灯り)」なのです。
心地よい場所は、一つの空間の中で壁や床などに数種の照明を配置する「多灯分散式」にされている場合が多いと思います。
一般的な住宅でしても大丈夫なの?と思われるかもしれませんが、天井から煌々とした光がないと生活しにくい訳ではありません。
フロアランプやテーブルランプなどを使って、より手元に近い位置に照明を配置すると、手元の灯りはしっかりとれ、不要な場所には光が当たらないようになります。
「明るい暗い」ではなく、光と影のメリハリのついた陰影のある空間は心地良さを生み出します。
Panasonic さんが Web 上で発行されている「あかりのおはなし」がとてもわかりやすくておススメです。
空間の良し悪しは照明しだい
照明はただ空間を明るく照らすだけでなく、使い方ひとつで空間の雰囲気をガラリと変えられます。ど
んなに良い間取り、設備、家具、素材などを使っていても、照明計画を間違えると台無しになります。
わが家ではじめに使っていたリビング照明が、上下配灯を切り替えられるタイプのベース照明でした。
もっぱら天井配灯のみの使用だったので、たまにスイッチを押し間違えて全配灯にしてしまった時には
え?これほんとに同じ家ですか?となるくらい(笑)
照明で空間が激変することを体感してもらうために、お客様にもよく見学してもらっていました。
みなさん本当に驚かれ、ただただ明るいのが正解ではないと気づき、灯りに対する意識が変わられていました。
配灯計画を考える
照明は器具としてインテリアのイメージがまだまだ強く、配灯計画は後回しになりがちですが、間取りや窓配置などと合わせて検討するのが大切です。
家族であっても明るさの感覚は違いますので、これから建築をされる方はできるだけ照明メーカーのショールームで灯りの体感をされるのをお勧めします。
また、お気に入りの家に住んでいるけど、なんだかしっくりこないなと感じていたら、灯りをもう一度見直してみるとよいかもしれません。
照明次第でぱっとしない空間でも劇的に素敵な空間になります。これ本当です。
今の部屋が天井から明るく均一に照らす空間なら、コーナーにフロアライトやテーブルライトを置いてみる。
家族が寝た後にベース照明をオフにし、お気に入りの灯りだけでゆったりとした時間を過ごすなど、光が足りない場所に最小限の建築照明でおぎなうようなバランスのよい計画が大切です。
必要な場所に必要な灯りを配する『適光適所』で本当に心地よい空間をつくることができます。
次回のコラムではわが家の照明たちと、暮らしの変化などを紹介していきたいと思います。
太陽はもちろん月の動きも季節ごとに感じられる暮らしってそれだけで満たされそうですね。
配灯計画の中で「家族であっても明るさの感覚は違います」とありましたが、本当にそう思います。家族みんなが納得できるように話し合いを重ねたいですね。
yumiさんがおっしゃるように、これから建築をされる方はできるだけ照明メーカーのショールームで灯りの体感をされるのをお勧めします。
yumiさん、今回もありがとうございました。
(編集:kaori)
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