心地よく、ゆったりとした”ヒュッゲな時間”を過ごすおうち。mamaison_oさんのおうちを探索!
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12月に入り外は一段と寒さが増し、おうちの中で暖をとる時間が至福の季節がやってきました。柔らかい照明のもと読書をしたり、リビングに横になりながら映画鑑賞をしたりと、思い思いの過ごし方があると思います。
仕切りの無い空間にピットリビング。窓際の腰掛けに座り日向ぼっこをしたり、段差を背もたれにリビングでくつろいだり。見ているだけでもそれぞれの場所で多様な過ごし方が連想できるおーちゃんさん(@mamaison_o)のおうちについてお話を伺いました。
そこには”くつろぎ”と”暮らしやすさ”をあわせた設計と、家づくりと日々の暮らしを通じてつくりあげた”ヒュッゲな時間”が流れていました。
遠距離で家づくりがスタート
おーちゃんさん
我が家は転勤族で、マイホームへの憧れはありましたが、こどもが小学校入学くらいのタイミングで夫の地元で落ち着ければいいなと考えていました。
その際にネックになったのは配属先の職場と夫の地元との距離。およそ600kmほどありましたので車での移動も難しく、地元のハウスメーカーや工務店を探す選択肢は当初からありませんでした。
たまに足を運んだ展示場では全国展開していて支店も多い大手ハウスメーカー中心に見て回りました。
中でも熱心に声を掛けていただいたのが積水ハウスさんでした。私たちの要望(急いでいない点)を受け入れてくれ、契約を急かされることもなくゆっくり準備をしていこうといったスタンスがとても良かったです。
担当者さんと積極的に工場見学や施工事例の見学会に参加する中で、接客の距離感がちょうどよく、加えて私たちの希望を間取りにもしっかりと反映してくださったことが最終的な決め手となりました。こうして我が家は積水ハウスさんでマイホームを建てることとなりました。
それでも手間がかかった打ち合わせ
打ち合わせと建築予定地で支店が異なるのでそれぞれ担当者さんについていただきましたが、通常の2倍は手間の掛かる打ち合わせでした。
同じハウスメーカーとはいえ、施工エリアが異なると使用する素材が違うため部材や仕様の変更が多々ありました。確認事項も担当者間での確認が常でしたので、一般的な流れよりも時間を要したと思います。
特に設計周りは前述した資材もそうですし、地域ごと役所への提出、条例なども絡んできますので、遠距離の打ち合わせはいろいろ注意が必要かもしれません。
とはいえ、当初から私たちの希望を最優先にしてくださり納得のいく打ち合わせができました。
そして住み始めてからは、何かあったときはカスタマーサービスに連絡するとほぼ解決しますし、災害時のサポートも充実しているため、アフターフォローに関してはさすが大手さんだなと感じています。
空間に”繋がり”と”メリハリ”を
ピットリビングは工場見学で見たインテリアが印象的で、こんな場所でくつろぎたいなと思い採用しました。
ひとつの空間にリビング、和室、ダイニングからキッチンと壁の隔てなく繋がっていますが、段差によってメリハリが生まれ視線の位置も違うので、それぞれの場所ですごし方も自然と変わってきます。
また空間を広く見せるように見た目にも拘って、床の貼りの向きや段差の踏板の暑さ、幅といったサイズも標準のものを使いながら野暮ったくならないように細かく仕上げました。
そのかいもあってか、遊びにきてくれる友人からは「なんだか落ち着く」や「あたたかみがある」と言ってもらえる機会も多く、とても満足しています。
普段は、窓際や小上がり、それぞれの段差に好きなように座って過ごしています。
ソファーを置いてしまうと狭く感じると思ったのであえて購入せず、背もたれが欲しい時はビーズクッションを出してくつろいでいます。夜はごろ〜んと寝転がりながらテレビ鑑賞も。
こどものお友達が来た時にはテーブルを出せば段差に座って遊べますし、窓際は座るだけでなく飲み物やおもちゃを置いたり、また植物や雑貨を置いたりといろいろな用途で活躍してくれる場所です。
段差下は収納は設けず、窓際の一部をAV機器の収納スペースくらいです。
キッチンに立つことが楽しくなる
料理が得意というわけではありませんが、毎日立つ場所であるキッチンはおうちづくりで楽しみにしていた場所の一つです。
システムキッチンよりもスタイリッシュなデザインに魅力を感じていましたが、当初検討していたメーカーは予算オーバーにより断念。さまざまなメーカーへ足を運び自分好みのキッチンを探すも、予算の壁にぶつかりしばらくはキッチン迷子の状態でした。
それでもたくさんのメーカーを見て、説明を受けていく中で機能面の重要性や、収納容量、動線などデザイン以外で必要なものがわかってきました。最終的には、将来選んでよかったなと想像できたリクシルのリシェルsiを選びました。
背面の飾り棚はウッドワンのカベツケ。
収納容量は減りますがリビングダイニングからも見える場所。オープンな設計がよかったのでイメージ通りの仕上がりです。
床は当初からタイルを希望していたこともあり、サンワカンパニーのヘキサゴンタイルを採用。タイルと床材の見切りは全てステンレスで可能な限り細くしてもらったのもこだわりのひとつです。
◯キッチン
・リクシル/リシェルsi(col グループ1 ラスティックオーク)
◯腰壁
・高さ:1,075mm
・キッチン立ち上がり高さ:220mm
・タイル:Danto tile / MUD200
◯背面
・飾り棚:ウッドワン/カベツケ
◯キッチン床
気配を感じながらゆったりできる2階スペース
1階と同様に2階もゆったりとした設計にしました。少し異なるのが、前述したとおり1階は家族、来客も含めてゆったりとくつろげる空間を意識し、一方2階は暮らしやすさを意識した空間にした点です。
階段を上がるとセカンドリビングがあります。ここはもともと設計の段階では仕切られた空間で、こども部屋の予備として提案いただいたものの、こども部屋は足りていたのと、物置部屋になってしまうのは勿体無いと思い、仕切りをなくしてホールのような空間にしてもらいました。
階段正面にはヌックスペースもあり、日当たりもよく家族各々が好きな場所でくつろげるようなデザインです。
セカンドリビング脇には吹き抜けを通じて1階と繋がっていて、こどもたちが2階で遊んでいても気配を感じられるのは、オープンな空間ならではの魅力かなと思います。
将来的には壁で仕切れるように下地はいれています。後々のことも考えながら空間設計をすると、ライフスタイルに応じた幅がでると思います。
ゆとりのある広い家事室
賃貸アパートでの暮らしで不便を感じていた部分でもある洗面所。新居では広くゆとりのある洗面室&家事室を希望しました。
水回りを1階か2階かで迷いましたが、コスト面も含め2階に設置することに。1階をなるべくLDKに広さを割きたかったのと、家の形が正方形の方が(外壁の面積が少ない)コストも抑えられる、そんな背景もありました。
入って右側が家事スペース、左側に洗面スペースを。同じ部屋にありながら空間をわける点を意識しています。
配置としては寝室の横にあるので、朝起きたらまず洗面所へ向かい洗濯を回して、身支度を整えてから1階へ降りる理想的な動線が叶い気持ちにもスイッチが入ります。
洗面もキッチン同様スタイリッシュな造作に憧れていましたが、ハウスメーカーの標準以外を採用するとコスト増に繋がるため、積水オリジナルの洗面台(KSX)に悩んだ末決めました。
もともとは壁一面タイル張りに鏡を掛けるだけのシンプルなイメージでいましたが、収納量が心配になりミラーキャビネットに変更しました。その際に、タイル部分をふかしてもらい、小物などが置けるスペースをつくりました。偶然にもキャビネットの奥行きとタイルの幅が同じくらいになってちょうどいいバランスで収まりました。
リビングや1階洗面もしかり、好きな部屋はスイッチプレートにもこだわっていて、洗面台の周りはアメリカンスイッチを、コンセント部分は差し込みとプレートを別のメーカーのものと組み合わせて付けました。
遊び心をプラスした建具たち
ベースはシンプルにし、家具や雑貨、また建具や壁紙で遊び心を入れたり装飾したりしてインテリアを楽しんでいます。
1階はお客様の目線を特に意識しました。リビングへの入り口のドアはガラスドアを採用。玄関とリビングにつけた照明との相性も良いだろうとイメージを膨らませた場所です。
同じくこちらも造作よりは、まずは既製品で良いものがないか探したところ、偶然にも好みのドアが見つかったので無塗装のものを仕入れていただき、取り付け前に自分たちでオイル塗装を施してから設置していただきました。
ナリュラルテイストの中でリビングの壁にアクセントを加えたいと思い、当初は珪藻土の塗り壁やモールテックスが候補にありましたが、色や施工の面で折り合いがつきませんでした。
インスタグラムで情報収集をしていた時に見つけたのがポーターズペイントです。レクチャーを受ければ自分たちでペイントができると知ってワークショップに参加しました。
家族で参加したワークショップではこどもが楽しそうにペイントする姿を見て、自分たちでできたら家づくりの良い思い出になるだろうと思い、その場でオーダーをしました。
引き渡し後にセルフペイントをしましたが、想像通りとても楽しく良い記念になりました。プロの仕上がりとはだいぶ差はありますが、これも我が家の良い味だなと思っています。
一方で2階はプライベートゾーンなので、やりたいことをやりきりました。寝室、こども部屋、洗面家事室、トイレにアクセントクロスを使っています。
特に楽しかったのはこども部屋で、全面をピンクにすると決めて様々なメーカーのサンプルを取り寄せ、ああでもない、こうでもない、とイメージを膨らませた時間が本当に楽しいものでした。
最終的に海外のこども部屋の様な可愛らしいイメージでありながらも、こどもが成長しても使える様に幼くなりすぎない色を選んでWICの中もグレイッシュな色味を合わせました。
続いて2階トイレには北欧テイストの柄のある壁紙を採用。
一緒に使うアクセントクロスも相性のいいものを選び、北欧童話に出てくるキャラクターが住むおうちの屋根裏部屋をイメージして、天井部分も三角に木を貼ってもらいました。狭いながらもたくさんのお気に入りが詰まった場所です。
余談ではありますが、この可愛らしいテイストにはこどもが成長し一人でトイレに行く際に寂しくないように、またお友達が遊びに来た時に喜んでもらえるように、そんな親心も詰まった場所です。
最後に洗面室のドアはリクシルのヴィンティア/ボトルグリーンを採用。内側がアクセントクロスでしたので色味が浮いてしまう心配はありましたが、住み始めてからも特に気になりません。
リビングのドアと洗面家事室のドア以外はハウスメーカー標準のシンプルなドアです。框ドアにも憧れましたが家のテイストに合うのはシンプルな方と思い決めました。主張しないデザインが空間に馴染んでいます。
“ホッ”と一息つける家具と空間づくり
家づくりを始める前からインテリアには興味はありましたが、コレ!といった特別なものはなく、強いていえば北欧デザインが好き、程度でした。
そのため、ベースになるものは落ち着いた色合いにし、HAYやmuutoなど温かみのある北欧家具を取り入れたことで、”ヒュッゲな時間”ができたのかなと思っています。家で過ごす時間が増えた最近では、「ホッとできる空間づくり」や「本当に必要で、長く使うことを想像できるか」といった考え方をするようにもなりました。
大きなテーマはなくスタートした家づくりですが、心地よくくつろげる場所を意識したことで、自分たちが過ごしやすい空間が自然とできあがってきたのかなと思います。
この冬も落ち着いたゆったりとした時間を我が家で楽しみたいと思います。
同じ空間に高低差を生むピットリビングは、それぞれの場所でそれぞれの過ごし方が見ているだけでイメージできますよね。
日当たりの良い窓際に腰掛けながらテレビを見たり談笑をしたり、少しお腹いっぱいになれば和室でゴロンってしたり。少し目線が上がったキッチンからはそんな様子を眺めることができ、我が家でくつろぐ様子にまたホッコリ癒されたり。
1階と基調となるテイストは統一させつつ遊び心やゆとりある暮らしやすさが考えられた2階と、テーマに添いつつも過ごす人のことを考えた設計も魅力でした。
個人的にですが遠距離での設計を経験した身からするとその大変さを思い出して共感の嵐でした(笑)昨今ではオンラインで会議なんかも世情の影響もあって広がりつつありますが、当時あればよかったな〜なんて思ったりもしました。
建具や家具、インテリアの色使いもぜひ参考にしてみてください。
おーちゃんさん、貴重なお話ありがとうございました!
(編集:編集長)
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