「鮮やかな世界と、色味を抑えた静かな世界」夫婦の調和にこだわったおうちづくり。qillillyさんの暮らしを探索!
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トントントン、グツグツグツ。
ごはんを準備する音と、漂う食材の香りが心地いい場所。
最新のキッチンというよりもどこか”台所”と言いたくなるような、そんなキッチンに憧れを抱く時ありませんか。
質感の異なるモノをうまく組み合わせたqillillyさんのキッチンはまさにそれ。シンプルなステンレスキッチンにアンティークの家具、素材感じる道具が並びます。
新鮮な野菜もより美味しく感じてしまうqillillyさんの台所。アンティーク家具とアクアリウムが同居する特別な空間についてお話を伺いました。
経年でうまれる佇まいを楽しむ
qillillyさん
DIY好きな父の影響もあり、幼い時からインテリアや雑貨が好きで、最初に購入したのはカントリーインテリアの情報誌だったほどです。それもあってアンティーク、古道具、年季の入ったモノへの興味が増していきました。
いざ家づくりを考えるようになると自ずとリノベーションに意識がいくようになりました。すでにあるモノに手を加えながら変化を楽しむ暮らしに憧れもありましたが、後述する造作の水槽スペースや夫婦の趣向も考慮した結果、新築してインテリアを工夫していこうとなりました。
素材の異なるモノが組み合わさる台所
背面キッチンを採用した理由は、リビングダイニングとの一体感に加え、部屋を広く見せたい考えがありました。また、モルタルの壁とステンレスの組み合わせや、大好きなキッチン道具を隠さず見せる収納含め、インテリアへの拘りがありました。
リビングダイニングから仕切るモノがないため、家族誰でもすぐにキッチンに立てるのもポイントです。因みに、我が家は夫も台所を使うので、天板の高さを90センチにしました。
キッチンはtoolbox、コンロはRinnaiのRO640STSで4つ口、水栓はGROHEです。お米は土鍋で炊くので4つ口コンロはひとつの拘りです。
モルタルの壁には自分が台所に立った時に気持ちが上がるモノを飾っています。
台所道具で愛用品はたくさんあるのですが、中でもいくつかあげるとすると・・・
・公長齋小菅:スライサー
・長谷園:かまどさん
・puebco:カッティングボード
・東屋:銅の薬缶
・こどもの頃から使っている土鍋
これらはどれも大事に使っているモノばかりです。
大げさかもしれませんが、大好きな道具と食材をできる限り使い切った時や、季節感のある物を調理する時はとても幸せを感じます。夫婦でお酒が好きなので、アテを作っている時も気持ちがあがります。
あとは台所に立った時にふと見上げた位置に採光取りの窓があり、そこから空を眺めるのが好きだったりします。
我が家は二階リビングのおうち。
リビング以外には大きな窓は少なく籠り感のあるつくりになっています。その中で、目線やや上にある窓は、そこから見える景色や差し込む日射しが気持ちを落ち着かせる我が家のワンポイントでもあります。
年季が美しいと感じるモノたち
家づくりの際に念頭においていたのは「夫婦の調和をどのようにとっていくか」ということでした。
二人の好きなモノをお互いに譲ることなくバランスが取れるように。そして夫のつくる水槽の鮮やかな世界と、私の好きな色味を抑えた静かな世界の調和が違和感なく取れるように。このあたりを設計士さんにもご尽力いただきつつ、時間も割いていきました。
私の好きはやはり古道具。経年変化した質感と佇まい、温かさ、スマートではないところに惹かれます。
引越しと同時にどうしても取り入れたかった水屋箪笥。
引き出す度に、引手と座金の擦れる音と手を離した時に鋲に当たる音がとてもリズミカルで心地よいです。開閉もスムーズではなく音もかなりしますが、そんなところにも愛着を持ちます。
引き出しを取り出すと番号が書かれていて、昔の作り手の手触りを感じられるのもひとつの楽しみです。
家具ありきで設計したインテリアですので、ダイニングテーブルにも拘りました。
部屋のスペースを考えて、許す限りの横長のサイズを探しました。
同じテーブルを囲んでいても端と端で邪魔することなく作業ができ、一人は食事、一人は読書といった別々の行動を一つのテーブルでできたらいいなと思っていました。
なかなか理想のテーブルは見つからなかったので、最終的にはダイニングテーブルではなく作業台として使われていたモノを招くことになりました。ところどころ塗料の跡や傷があったりするのも味わいだと思っています。
鮮やかな水槽と明るい日射し
何度か話にでてきた水槽。夫が10代のことからリビングに水槽スペースを持つのが夢だったこともあり、それを実現したかたちになります。
このスペースは調和を意識して、壁面本棚の中に水槽を埋め込み一体感を演出しています。この配管周りや防水加工は新築だからこそできた部分でもあります。
水槽に明かりを灯すとそこだけ異空間のようで、とても幻想的です。
裏側はメンテナンスルームになっていて、まさに夫の城と言える場所です。それゆえ、奥行きが57センチもあり収納力もあって助かっています。
一角を息子の勉強スペースとして使用しています。水槽の色合いを引き立てるよう(逆に色で溢れかえらないよう)、本のカバーを外したりしてなるべく落ち着いた空間づくりを意識しています。
空間のバランスをとても大切にしているのはご紹介している通りで、我が家に欠かせないのは日射し(採光)です。
キッチンもそうですが、寝室や洗面所などところどころに小窓を設置し自然光で色彩に変化が出るように設計しました。小窓から見える木々は季節の変化を感じ、四方から入る日射しは一日の時間を感じることができます。
中でも玄関も好きな場所で、家に入るとそのまま真っ直ぐ二階へと続く階段を採用しました。
二階のリビングと一階のプライベートスペースをわける役割を担っています。階段には大きな窓があり、そこから光が差し込む、静かな凛とした空間も気に入っています。
我が家の「好き」なところを中心にお話してきましたが、おうちづくり、インテリアづくりの参考になれば幸いです。
インテリアの色彩は統一されシンプルな空間の中に、どこか”生活感”があるおうち。見ていて心地よい写真ばかり、ついその中身をしりたくqillillyさんにお声がけしてしまいました。
好きなモノはしっかり揃えてあるけど、統一感もありインテリアとして馴染んでいる。まだなんとなくではありますが、古道具が持つ手触り・質感や、新鮮な食材と台所との組み合わせが、心地よい生活感を醸し出しているのかな〜なんて思っています。
新しい機能は日常をよりよくしてくれますが、決してスマートではない引き継がれた道具たちも暮らしを豊かにしてくれますね。
今日もqillillyさんの台所からはいい香りが漂ってきそうです。
qillillyさん、ありがとうございました!
(編集:編集長)
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