【あの人の暮らしが素敵な理由】ハーフビルドすることで家を知り、安心で心地よい暮らしを(sawara.home さん)
- コラム
- 読みもの
【あの人の暮らしが素敵な理由】
“インスタグラムでつい憧れてしまうあの人”の暮らし方のヒントやモノ選びなど、暮らしにまつわるアレコレをご紹介いただきます。
今回は「ハーフビルドしたおうち」をテーマに、@sawara.home (以下、sawara)さんのお話をお伺いしていきます!
素朴でシンプルな佇まいを目指して
sawara
はじめまして、sawaraと申します。夫とハーフビルドした小さな平屋に住み始めて3年が経ちました。
家づくりをきっかけにひっそりと綴っているインスタグラムですが、今回ご縁をいただき、普段の暮らしのことや私たちが選んだすこし変わったハーフビルド(自分たちでできることは自分たちでやる)という方法の家づくりについて、お話したいと思います。
日常を送る場所
自宅で仕事をしていることもあり、家の中でも沢山の時間を過ごすキッチンは一番好きな場所。
気分転換にコーヒーを淹れたり、ご近所さんから沢山いただく季節のものを料理したり、毎日のリズムが生まれるのがキッチン。
リビングダイニングと繋がったとってもオープンな場所なので、台所道具が並ぶ様子を愛でるのも日々のちょっとした癒やしになっています。
家の外に出れば沢山の自然が迎えてくれます。春には近くの河辺まで桜を見に行くのが楽しみの一つ。
季節の移り変わりを求めずとも自然を身近に感じられる環境は、田舎暮らしに憧れていた私にとってはとても贅沢なこと。
元々「どんな家にしたいか」よりも「緑が多くて静かな所が良い」というように、家が建つ環境へのイメージの方が強くありました。
理想を求めて地方や山奥の家を見に行ったりもしましたが、区画整理された住宅街で育った私たちにはそのぽつんとした雰囲気が寂しく感じてしまい、中々しっくりくる場所を見つけられずにいました。
そんな中でもう一度近くに目を向けて出会ったのが、いまの土地。
時間はかかりますが都内にも出られて、窮屈さを感じさせない程度に住宅がある「小田舎」という感じ。田舎暮らし初心者にとってはちょうど良い場所でした。
敷地から小高い山が眺められるなんとものどかな雰囲気が気に入って、結局は住み慣れた県内での移住となりました。
日常の中に好きな眺めがあるのは中々良いもの。なんてことのない風景に今日も季節を感じる、そんな暮らしに癒されています。
ハーフビルドするという選択
購入当時ここには古い平屋が建っており、リノベーションをしようと自分たちで解体作業をしていましたが、紆余曲折あって新築で建て替えることを決めました。
私たちがハーフビルドと出会ったのは、家探しをする中で夫がホームページを見つけて、見学会に参加したことから。
聞き慣れない方も多いと思いますが、私たちが選んだハーフビルドは、基礎・外壁の下地・屋根・窓工事などの「住宅の瑕疵に関わる部分」は工務店に施工してもらい、その後の主に内装工事を工程ごとに教わりながら自分たちで仕上げていくというもの。
DIYこそ未経験ではありましたが元々ものづくりが好きなのもあり、建築アルバムをみると楽しそうでとてもワクワクしました。
そして、心惹かれたアンダーセン社の絵になる木製窓や無垢の床、建具に漆喰の壁。私たちの予算では難しいと思っていたものが、ハーフビルドすることで叶えられるのはとても魅力的でした。
自然素材を多く使った素朴でシンプルな佇まいに、心地よく暮らせそうなイメージが湧いてきたのを覚えています。
いざ建築の始まり
こうして始まった私たちのハーフビルドでの家づくり。工程ごとに丸一日ほど建築中のわが家でレクチャーがあり、作業を進めていきました。
工具の扱い方等も丁寧に教えていただけたので大きな不安もなく、家が出来ていくのと同時にDIYのスキルが身に付いていく、そんな一風変わったマイホームづくりの日々。
前半は黙々と床材を張るなどのルーティン的に出来ることが多くスムーズに進みましたが、後半はタイルを選んだりキッチンの細かな仕様をどうするか決めたり、インテリア的な要素を考えることと並行して実際の施工もしなければなりませんでした。
それは中々同時には行えず、思うように進まないことも。
しかし家をつくるのは私か夫。悩んでいる間に工事が進んでいくことはもちろん無く「もう今日はリフレッシュDAYにしよう」と裏山に散策に出掛けることもしばしばでした。
期限がないというのは、良くも悪くも納得いくまで悩めるということ。家族にも呆れられるほどマイペースな私にとって、それが今となってはメリットだったと思います。
主に週末、2年近くをかけた家づくりは大変ではありましたが、友人に手伝ってもらうなど沢山の方に支えられて完成したわが家。
振り返ってみると、屋根の遮熱パネルや家中の断熱材などのもう見えない所から、雨樋、天井、床、壁などの見える所まで、どんな風に施工したかを全て自分たちで把握しているのです。
そこまでしなくてもとも思いますが(笑)自分たちの住む家のことを隅々まで分かっているのは思いのほか気持ち良く、根底からの安心感や心地良さに繋がっているような気がします。
自分の手でつくり、育てる
引っ越しが終わり、生活も落ち着いてきたころからようやく庭にまで気持ちが向くように。
建築中は外構や植栽についてじっくりと考える余裕がなかったのが現実でしたが「家をハーフビルドしたことだし庭づくりも自分たちでやってみよう」と、好みの雰囲気の庭を目指して自然とDIYする流れになっていきました。
今までフェンスや門柱、玄関アプローチ、ウッドデッキの前のエリアの敷石などをしてきましたが、中でも特に敷石はかなりの重労働でした。
作業は大変ではありましたが、つくっていく工程が好きな私にとっては庭づくりも家づくりの延長のような感覚で楽しんでいます。
今後は小屋も建ててみたいと夢は膨らみますが、お家でのんびりするのも私にとって欠かせない時間。庭づくりは完璧を求めず「ライフワークのように気ままに」と思っています。
こんな具合にスローペースなので植栽などはまだまだなのですが、少しずつ庭の植物たちも成長してきました。
気軽に庭のグリーンをお部屋でも楽しむ。そんな憧れていた暮らしが、日常のささやかな喜びになっています。
ものづくりが好きなご夫婦が2年の歳月をかけて完成させたハーフビルドのおうち。細部にわたるまで「知る」ということが安心感や心地よさにつながっているという言葉に家への愛情を感じ、とても素敵だなと思いました。
手をかけ時間をかけてコツコツつくり上げたおうちで、好きなものを眺めながら暮らす。贅沢で幸せな日常は、これからも続いていく家づくりに更なるやる気をもたらせてくれそうですね〜。
(編集:megu)
specialthanks
Article / 読みもの
Category
daily mukuri / アイテム
Category