無機質の中にも温かみのある空間設計。house.raaさんのリビング・ダイニングを探索!【無垢 家具 インテリア】
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リビングと中庭が一つの部屋のような造り
モールテックスのTV壁とグレーとウッド調で統一された無機質の中にも無垢の温かみが感じられるリビング・ダイニングを設計されたhouse.raaさん(以下、a.houseさん)のコダワリをご紹介していきます。
前回の「キッチンも家具としてありたい」という考えがリビング・ダイニングにも表れています。
リビングと中庭のつくりや、造作の家具、そしておうちづくりでの想いまでお聞きしました。
ぜひ、参考にしてみてください。
a.houseさんのキッチンに関する記事はこちらからご覧いただけます。
仕事から帰り、こどもを寝かしつけたあと、ゆっくりソファに座る瞬間がたまらなく好きだそうです。
(※記事の中での規格は建築時のものです。現在の最新の規格はメーカーの商品ページ等をご参照いただけますと幸いです。)
a.houseさんのコダワリ
リビング・ダイニングは空間を広く見せること
広さ:約23畳/LDK
a.houseさん
リビング・ダイニングのコダワリは空間を広く見せること、必要な物しか置かないこと、あまり見せたくない物は隠してスッキリ見せることです。
・レンジフードは空間を圧迫するためダウンドラフトフードに
・テレビボードは設置すると不必要な物まで収納してしまうことや、こちらも空間を狭く感じさせてしまう点を懸念して設置せず
上記2点は大きく意識した点で、テレビボードを設置しないだけでもスッキリした印象になると思います。
統一感・広い空間・朝晩の雰囲気づくり
リビングはグレー(ソファ・モールテックスなど)と無垢の茶色でカラーを纏めています。
リビングでは天井も板張りにし、中庭に出る縁側の天井(軒)もリビング天井と同じ材木を使用することで、中と外が繋がっているように見え、空間をより広く見えるようにしました。
リビングの窓も大きくして中庭がよく見え、空間の広がりを感じることができます。
天井高と照明にも意識しました。
天井高はリビングが2700mmあり、キッチン・ダイニングが2500mmと少し高低差をつくり、段差が生じる部分に間接照明を入れることで夜の雰囲気が変わるように設計しました。
朝〜日中は陽射しがリビングに降り注ぎ、夕方〜夜は間接照明で雰囲気の異なる空間を楽しんでいます。
無垢床/オーク(ナラ) / ブナ科落葉広葉樹
商品
メーカー:IOC/カンヌシリーズ(カンヌブラン)
サイズ:厚さ15mm*幅190mm*長さ1900mm
その他:床暖房対応
素材に関する詳細はこちらをご参照ください。
a.houseさん
リビング・ダイニングの床は無垢材です。ICOのカンヌシリーズのカンヌブランで、落ち着いた色で、少しアンティーク調にも見える色合いで大変気に入っています。
お手入れについて
水拭き:基本的にはNGです
まだ大したお手入れはしていません。ホコリが溜まらないように毎日掃除機をかけています。木目がしっかり見える材質ですので、色合い的にもホコリはあまり目立たないかもしれません。
水拭きは無垢に対して推奨できないと工務店から聞いています。ですが、小さいこどもが居ますので食べこぼしや、飲み物をこぼしたりも頻繁にあります。その時は、なるべく早めに拭き取るようにし、汚れが落ちにくい時には湿った布巾で汚れを落とし、必ず乾いたタオルで拭きあげるようにしています。
今のところ目立った傷はありませんが、傷がつかないようにこどものオモチャなどはリビングに持ち込まず、遊ぶ時はこども部屋で遊ぶように心がけています。
個性的なTV壁はモールテックス
インテリアにアクセントを与えるTV壁
素材:モールテックス(グレー)
a.houseさん
無機質な雰囲気が好きで、テレビ裏全体をモールテックスで塗りました。
キッチンと併せて、グレーで統一感がでつつ、存在感もでたので我が家の個性としてこれにして良かったと満足しています。
ただ、モールテックスを希望される方への注意点があります。
モールテックスは左官屋さんの技術・塗り方によって全く異なる模様になるそうです。我が家はグレーを希望してましたが、塗ってみないとなんとも言えないと工務店から言われていたため、出来上がりを見るまではヒヤヒヤでした(笑)
モールテックスについてはこちらを参考にしてみてください。
壁掛けテレビの位置と配線
テレビ位置:床から500mm
配線:テレビ壁の裏(クローゼットになってます)にあります
新居でのソファは早い段階で決めてましたので、ソファの高さとインテリア全体の位置をみて決めました。また、配線ですが、壁の裏側がウォークインクローゼットになってます。そこに、壁に配線の穴を開けてあり、DVDデッキなどは裏に置いてます。
プライベートな空間をつくり出す中庭
動線とコダワリ
a.houseさん
中庭へはリビングの真ん中の窓から出入りができるようになっています。
窓の縁は外から見るとわかるのですが、縁が木目になっていてちょっとしたコダワリなんですが、中庭からしか見えないので、完全に自己満足ですが(笑)
玄関側からも中庭に直接入れるようにしています。友人を呼んでBBQする時などは扉を開けることで開放感が生まれます。もちろん、防犯上施錠はできるようになっています。
中庭は外(両隣の家から)見えないように外観の角度を考えて設計してもらいました。
その結果、洗濯物を干しても見えませんし、プールで水着になっても見えないので完全にプライベートな空間をつくりだすことができました。
縁側
素材:イタウバ(うろ覚えです)
ウッドデッキはL字型にし、リビングとこども部屋から中庭に出られますし、こども部屋との行き来もできます。
人工芝と天然芝問題
天然芝と人工芝どちらにするかは最後まで悩みました。天然芝はやはり自然の雰囲気がでますが、お手入れが必要なこと(我が家はフルタイムの共働き)や、設計上陽の当たる角度によっては芝生の成長にバラつきが生じやすいと判断し人工芝にしました。
人工芝の利点はヘタレばすぐに差し替えることもできますし、もちろんお手入れいらず。何より、年中緑が見えることはメリットだと感じています。
水捌けもいまのところ問題はありません。
倉庫もセットで設計
中庭に一部白い壁の部分がありますが、ここは倉庫になっています。
中庭を設置すると決めた時からBBQ道具やこどもに触れて欲しくない物(タイヤや外の掃除用具)を収納できるように設計し、こちらも施錠できるようになっています。
コダワリの家具
落ち着いたカラーのカウチソファ
商品:フランネルソファ/BRICKシリーズ
カラー:ネイビー(グループ4)
幅:2450mm
奥行き:1600mm
シートハイ:340mm
a.houseさん
ソファはかなりコダワリ、フランネルソファとノーイエスの2つのメーカーで迷いました。
私が住んでいる県でフランネルソファを展示している家具屋が少なかったため、名古屋のショールームまで足を運び、実際に座ったりして生地を決めました。
ゆったりと座りたかったためカウチソファにしました。
オプションでウォルナットの無垢の木肘もつけています。足の高さも100mmありお掃除ロボットも通過できます。
正方形なダイニングテーブル
商品:地元の工房で造作
サイズ:1200mm*1200mm
大人数で食卓を囲めるテーブルが欲しいと思ってました。
設計初期は1500mm*1500mmの正方形のサイズを提案していただいたのですが、実際そのサイズ感だと結構大きく、普段は3人での食事がメインなので1200mmにサイズダウンしました。
LDK全体のイメージと合うようにウォルナットでつくっており、また正方形のダイニングテーブルってなかなか見かけないため、大変気に入ってます。
ちょっとした工夫として、テーブルは四隅に足があるのが普通ですよね。でも四隅に足があることで食卓を囲った時に、隅に座る人の邪魔になるかな?と思いテーブルの中央に2本足をつけてもらうようにしました。
その結果、どの面、隅に座ってもテーブルの足にあたらずストレスなく座ることができています
ダイニングと和室の関係性
ダイニングテーブルを小上がりの和室前に置いてることにも理由があります。
和室前におくことで、食後そのまま和室にゴロンって寝転がることもできますし、こどもが小さいうちは和室で寝転ばせながら食事をすることもできます。
また、細かいですが、小上がりの部分や造作ベンチの少し斜めに角度をつけています。そうすることで、座った時に側面に足が当たりにくく楽に食事ができます。
ちらっと写ってますが、小上がり部分にルンバが収納できる場所をつくってあり、充電もできるようにコンセントも設置しています。
ダイニングの椅子は素敵な椅子に出会うまではイームズのリプロダクトを使っています。
おうち造りを通じて感じたこと
妥協せず平屋にして良かった
元々主人は平屋に憧れを持っていましたが、なんとなく平屋はコスト的に高いイメージがあり、設計当初は二階建てプランでいくと思ってました。
そんな中で、設計士さんより平屋でもじゅうぶん対応できる土地があることから、最初のプランで平屋を提案いただきました。平屋ですと、LDKや部屋の広さや数を確保できないのでは?と不安でしたが、出てきた図面をみてじゅうぶんな広さや必要な部屋数も確保できることがわかり、加えて平屋の魅力も伝わってきましたので、思い切って平屋へと舵をきりました。
正直コスト面は私たちが想定していた予算よりも多少高くなりましたが、一生住むので妥協はしたくありませんでした。そして、実際に住んでみてとても快適で満足しています。
やはり、よく言われる特徴として、二階との上り下りもない分掃除の手間も少なく感じますし、平屋ですと一部屋一部屋が繋がっていますので、家族の距離が近いと感じることが多いです。
我が家はリビングを通じて各部屋にいけるような動線設計になっています。
将来こどもは嫌がるかもしれませんが、こどもが成長するにつれ、一緒にいる時間が少なくなっていく中で家族のあり方として我が家はそのように設計しました。
楽しみながらのおうちづくりを目指す
おうちづくりで大変だと感じたことはありませんでした。むしろ、私も主人も毎回の打ち合わせが待ち遠しいくらいでした(笑)
よく、おうちを建てた友人からは細々したことを決めて行くことが面倒に感じる時もあったと聞いていましたが、そんな事は全くなく、コンセント位置一つとっても楽しみながら決めることができました。
思い返して良かったなと思う点は、主人とよくおうちについて語りあい、あーでもこーでもないと話あった時間が多かった点と、設計士さんにも恵まれ、私たちの要望に対し的確な提案と、意外性のある提案を織り交ぜてくれた点です。設計士さんには本当に助けていただきました。
これからおうちを建てられる方や、今設計中の方も自分達が楽しくおうちづくりをしていくことがとても大切だと感じました。せっかく建てるおうち、些細なことも家族で話あって自分たちの想いやコダワリを伝えあってほしいなと思っています。
いかがでしたでしょうか。
無機質なLDKは物も少なく生活感が薄く感じますが、細かいところまでコダワリがあり本当に住み心地が良いなんだろうなと感じました。個人的には和室とダイングテーブルの位置関係はなるほど!と思いました。
2回にわたりa.houseさんにおうち造りについてお聞きしましたが、平屋だけではなくモールテックスを使ったインテリアはとても参考になると思います。少しでもみなさんの選択肢が広がれば嬉しいです。
a.houseさん、今回もありがとうございました♫
a.houseさんの日用品はこちらからご覧いただけます。
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