【暮らしのインテリア】小さな家を広く見せるための間取りと工夫~10年目の自分らしい暮らし(sario.lsさん)
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70㎡に個室3つとトイレ2つを詰め込むためにしたこと
こんにちは、saoriです。
私たちの家探しから建築家さんと小さな家を建てることになるまでについてを前回のコラムではご紹介いたしました。
今回は小さな家ならではの間取りや空間づくりのエピソードを、LDKのある2階を中心にお話していきたいと思います。
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私たちの家は建坪約70平米の二階建ての木造住宅です。
この家にLDKと広めのベランダ、個室3つ、トイレ2つを詰め込んでいます。家の広さに対して、個室3つとトイレ2つというのは欲張りすぎだったのかもと今では思います(笑)
ですが、当時は何人家族になるのか予想がつかなかったことや、寝室の横にもトイレがほしいという夫の唯一の希望を叶えたかったこともあり、このような形に落ち着きました。
狭さゆえに苦労したことを思い出しながら、我が家の間取りや工夫した点についてお話していきたいと思います。
理想を膨らませたリビングダイニング
昼間は電気をつけなくてもほどよく明るく、ソファに座れば窓の外の緑に視線が抜ける心地のよいリビング。横にはペンダントランプを低めに垂らしたダイニングがあり、キッチンもバスルームも手が届くような距離にある。
こんな私の理想のイメージもあって、LDK&水回りは2階にもってくることになりました。
リビング周りに水回りを配置することを希望したのは、もともとマンション購入を希望していた私が、マンションでの「同じフロアに全てがある生活」を気に入っていたからです。
ところが、水回りを2階に持ってくることによってリビングの広さを確保することが難しくなってしまいました。
空間を広く感じるために
リビングをゆったりとくつろげる空間したいという想いはあるものの、2階の床面積は物理的にこれ以上広げることはできません。そこで面積ではなく「空間」を少しでも広くゆったりと感じられるよう工夫をすることにしました。
それについて建築家さんからは2つ提案がありました。
1つ目の提案は、階段とリビングとの間に壁を作らないようにするというものでした。
我が家は玄関脇の階段を2階へと上がると、扉も壁もなくそのままリビングに繋がるような造りになっています。階段の吹き抜けの空間もリビングの一部としたことで視線が抜け、リビング幅が広く感じるようになりました。
もう1つの提案は、天井高を高くとるというものです。
天井を高くすると開放感が生まれます。加えて隣家に面する壁には窓を設けず、代わりに天窓を設け常に上から光が入るようにしました。このおかげで上方向にも抜け感も生まれました。
階段空間の利用と高い天井によって、明るく開放的なリビングを実現することができました。
また隣家側の窓をあえて造らないことで住宅密集地であるにもかかわらず、隣家の生活音が気にならない快適さも手に入れることができました。
リビングと繋がるダイニングとキッチンは、南西向きのベランダを囲むように配置しました。ソファから窓の外を眺めた時に目に入るキッチンは白を選び、明るく清潔感のある空間にしています。
当時から人気のあったアイランドキッチンにするかどうかも悩みましたが、リビングやダイニングの空間の確保を優先し壁付けタイプにしました。リビングから見てベランダ右側の小さなスペースにぴったりとキッチンを入れ込むことで、リビングダイニングとの空間をゆるく区切ることができました。
小さなキッチンにはオープンな可動棚を2ヶ所作り付けてもらいました。これは中が空洞になっている壁を利用したものです。
棚には生活家電やリネン類、食材などを収納していますが、どちらもリビングダイニングからは死角になっています。おかげで生活感を抑え、すっきり見せることができました。
水回りをすべて同じフロアに
家を建てた当時は息子がまだ小さかったこともあり、家事はできるだけ2階で済ませたいと思っていたので2階に水回りを配置するようお願いしました。フルタイムで働いていたので毎日が慌ただしく、少しでも家事動線を短くして時間と心のゆとりが欲しかったのです。
とはいえ2階に水回りをうまく配置するのは本当に難しいことでした。
洗面所とトイレと脱衣所は一体型にすることは決めていたのですが、トイレとバスルームの位置をどうするかは最後まで悩みました。
我が家は土地に沿った五角形のような形をしているので、2畳の正方形サイズのバスルームがしっくり収まる場所がなかなか見つからなかったのです。
洗面所はダイニングキッチンに隣接することになるのですが、ドアをあけたらトイレが目に入るという配置は避けたいというこだわりもありました(音等も気にしたくありませんでした)。
毎日、あーでもないこーでもないと間取り図にバスルームやトイレをパズルのように配置しては動線をイメージする、の繰り返しでした。
最終的にバスルームの位置は、リビングに半分突き出すような形でまとまりました。
建築家さんからこの案をいただいたときは一瞬、こんな配置?と思ったのですが、結果、よかったと思ってます。
洗面所に入ってすぐ左に洗面台、右にはバスルームとなったことで、バスルーム奥の空いた空間にトイレを配置することができ、ダイニングからトイレが直接目に入るという心配がなくなりました。
バスルームのリビングに突き出した部分は壁と収納に利用することができました。
バスルームのリビング側は我が家のアイコンでもあるチェストを置いている壁にあたるのですが、上部はバスルームの高さでいったん区切ることにし、天井と隙間を開けることにしました。
この1mほどの天井との隙間のおかげで抜けが生まれ、リビングの開放感につながりました。意外にもリビングでくつろいでいる時でもシャワー音は気にならず、10年住んでいる私たちですらこの壁の裏側がお風呂であることが不思議なくらいです(笑)
このように苦労した水回りですが、2階にすべて配置して本当によかったと実感しています。
特にこどもが小さいころは、調理中にトイレから息子に呼ばれてもさっと行くことができる(手を離せないときはキッチンから声だけかけてあげる)、何かをこぼしてもすぐに洗面所やバスルームに連れていけるなど、本当に大助かりでした。
小さな家はスペースにゆとりがないからこそ、いろんな工夫やアイデアがダイレクトに暮らしやすさに繋がります!間取り決めは大変でしたがあの時がんばったからこそ今の暮らしがあると思っています。
以上、特にこだわった2階の間取りと設計についてご紹介いたしました。このような私たちの経験が少しでも皆さんの家づくりの参考になれば嬉しいです。
最後まで読んでくださりありがとうございました!
70㎡のおうちに個室3つとトイレ2つが入っていることにまずびっくりですが、それなのに狭さを感じないLDKに驚きです。
saoriさんが仰るように広くはないかもしれませんが、ちょうど良い広さで逆にそれが心地良いこもり感や雰囲気を作り出していると思います。
天井との1mの隙間がとても効果的で、キッチンを入れ込んだり、バスルームの突き出しを利用したりなど間取りの工夫にもオリジナリティがありますよね。ぜひ参考にしてみてくださいね。
次回以降、内装等についてもお話くださるようで楽しみです。
saoriさん、ありがとうございました!
(編集:kaori)
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