【今日の読みもの】きっかけはイタリアのレストランで感じた居心地のよさ〜モルタル床の家づくり・前編(______tnoieさん)
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今日の読みものは、モルタル床のお家づくりをされた@______tnoie(以下、chipi)さんのお話です。
シンプルかつ洗練された無機質な空間から感じる、chipiさんのインテリアとその素敵なセンス。
「モルタル床の家づくり」をテーマに前編・後編でお届けします。前編では、モルタル床をメインとした家づくりをするまでの経緯や、家づくりへのこだわり、大切にしたことなどについて詳しくお話いただきました。
モルタル床の家にしたワケ
1000万円代で建てたモルタル床の小さな家に夫と私、娘ふたり、ねこのはっちゃんと住んでいます。
ホテル、レストラン巡りが好きな夫と私。旅先は、見たい空間や食べたいものを中心に選ぶのが恒例です。
そんな私たちが「いいな」と思う空間に共通していたのはモルタル床、白い壁の緊張感がありながらも柔らかな空間。いつか住む家を建てるなら“白い無機質な箱”という漠然としたイメージをもっていました。
でも実際に家を建てることが現実になると、好きな空間に住めることが楽しみな一方で、モルタル床にすることの迷いも出てきて。
こどもの怪我は大丈夫か、人もねこもリラックスできるのか、何度も迷ったのも事実です。
それでもモルタル床を選んだきっかけになったのは、昔旅行で立ち寄ったレストラン「La menagere」で感じた居心地のよさでした。
「La menagere」はイタリア、フェレンツェにある、19世紀末から続く老舗の家庭用品店だった建物をリノベーションしたコンセプトレストラン。
カフェ、レストラン、バー、音楽、セレクトショップ、フラワーショップが混在しているモルタル床の空間です。
レストランスペースでは天井までアーチが続き、シャンデリアの優しい光が溢れ、細長い一枚板のテーブルを大勢の人が囲みながら小さなこどもからお年寄りまで食事を楽しんでいました。
それぞれのエリアは確かに分かれているのにひとつの空間として繋がっていて、言葉も通じない慣れない場所なのに感じた心地よさは今でも忘れられません。
当時の記憶を辿り、実際に目で見たものを信じて、例えモルタル床を選んだとしても家族の居心地のいい空間はつくれると確信したのです。
今では2歳の長女、ねこのはっちゃんもそれぞれお気に入りの居場所があり、0歳の次女ものびのびと過ごしています。
住んでみて物を落とすと壊れやすい、硝子や陶器が落ちると飛散するなど、もちろんデメリットもありますが、それ以上にモルタル床の空間は美しく、選んだことに後悔はありません。
どう暮らしたいかを大切に
私たちの家づくりで大切にしたことは、“この家でどういう風に暮らしたいか”ということ。
住みはじめてもうすぐ2年。夫と2人で思い描いていた暮らしが少しずつ叶っていて、つい最近は庭に畑を作りました。
気分転換に庭でごはんを食べたり、野菜やハーブを育てたり、暮らしが豊かになる度に家を建ててよかったと思います。
予算の都合で手付かずだった庭ですが、娘も私たちも庭での遊びや家庭菜園、庭づくりの過程で自然に触れて多くのことを学びました。
そして、私たちの暮らしには、大切な家族であるねこのはっちゃんとの共存も欠かせません。
自由に行き来できるねこドア、ニオイ対策に換気扇を付けたトイレ収納など、人もねこもストレスフリーな仕様にこだわっています。
低予算だったために諦めたことも沢山ありますが、固定概念やルール、流行にとらわれず、暮らし方に焦点を当てることで自分たちにちょうどいい選択ができました。
モルタルの床を住居として採用してもいいのか迷いつつも、家族の居心地のいい空間をつくれると確信し、chipiさんの心を動かしたイタリアのレストランの心地よさ。どれほど魅力的な場所だったのだろう〜と想像してしまいました。
無機質でカッコよさを演出してくれるモルタル床の美しい住居空間に、魅了されっぱなしでした♩
(編集:maki)
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