【今日の読みもの】ものづくりをする楽しみを見つけて想いを形にする〜前編(___mouette さん)
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今日の読みものは、姉妹のママであり、小物からお洋服まで様々な作品を手がけるハンドメイド作家でもある@___mouette (以下、mari)さんのお話です。
前編・後編に分けてお届けするコラム、今回の前編は「ものづくりをするきっかけ」についてお伺いしました。
自分を表現し、手に取る人を幸せに
私は姉妹の母親をしながら、ものづくりとして様々な布小物やお洋服を手がけています。
日々のほとんどをミシンと向き合い布に触れる人生になったことは、おたまじゃくしがアヒルに成長するくらい奇想天外な出来事で、過去の自分にこれを話したらとても驚くと思います。
子どもの頃からものづくりが「大好き」だったわけではなく、絵を描くのも図工の時間も「嫌いではない」と言った感じ。
古着を求めて原宿に通うようになった中学当時、いよいよファッションに目覚め「自分を表現する」ということに興味を持ち始めました。
人と同じもかわいいけれど、人と違うものを身につける時の冒険心やそれをかわいいと言ってもらえた時の心浮きたつ気持ち。「自分色」に気付き、育て、少しずつ膨らませていきました。
高校生になり、文化祭のクラスTシャツのイラストを任せてもらうことに。本格的にデザインをするのが初めてで、戸惑いもありつつワクワクして考えたのを今でも覚えています。
完成したTシャツをクラスの仲間が嬉しそうに着てくれ、みんなとても似合っていて。自分がつくったものを喜んでくれる体験をした「初めて」がそこだったのかもしれません。
短大では学園祭に出店した際、段ボールでつくった装飾に大きな絵を描かせてもらったことも。
そんな学生時代を経て、何かをつくったり表現したりすることが好きで、人の役に立ったり喜ばせたり出来るんだと気付き、「自分」という者がよくわからなかった日々が少しずつカラフルに楽しくなっていく感覚がありました。
就職後は幼稚園と保育園の先生として子どもと戯れる日々。創作意欲も全開に、次々と溢れ出るアイデアが止まらず「自分らしさ」を存分に生かせる仕事に出会えとても恵まれていたと思います。
出産前ギリギリで退職し母となり、娘とゆったり過ごす中でもお昼寝の時間はやっぱり何かしらものづくりを。そんなひとときが私には無くてはならないほっと一息つける時間だったのです。
お皿に落書きをしたり、木の棚にペンキを塗ったり、石粉粘土で置きものをつくったり。牛乳パックを再利用してつくる「エコ葉書」は温かみのある再生紙が好きな私の好みのど真ん中、環境問題とも少しだけ向き合えているところが魅力的でした。
その頃たまたま近所で見つけた貼り紙で、趣きのある素敵な古民家で開催される「お米の家手作り市」(通称:コメイチ)の存在を知り、当時つくっていたものを並べて「カモメ」という屋号で初めての出店。十年近く経つ今も、あの時駆けつけてくれた友人やお客様のお顔は忘れられません。
コメイチに何度か出店した後、二人目の子どもがお腹に宿りました。私は兄二人の環境で育ったので、「姉妹」の姿を想像するだけでワクワクして心が高揚し「これは何かお揃いのものをたくさんつくりたい」 と妄想が止まらなくなり、ミシンを踏んでみるように。
久しぶりで苦手意識もありましたが、亡くなった義母から受け継いだミシンを踏むと寄り添ってもらえているような気持ちになり、たくさん練習をしました。
今では定番となった「アニマルしりとりスタイセット」が誕生したのもこの頃。動物のスタイを作っていたら“ふくろう→うさぎ→きつね→ねこ”と、しりとりで繋がると気付いた時のトキメキ。
赤ちゃんの可愛らしさをもっと引き立てられるようなひょうきんな動物たち。後に犬、恐竜なども加わり、今では「愛犬モチーフにつくって欲しい」等のリクエストにもお応えしています。
そして屋号も「カモメ」から「___mouette」に。mouette(ムエット)は、フランス語でカモメという意味。
もっと色々なことにチャレンジして、自分の中でまた気持ちを新たにステップアップしたい、そんな想いを屋号に込めました。
ものづくりをするきっかけは様々で、得意であることや好きといった気持ちはもちろん、それを手にしてくれた「誰か」が喜んでくれることが原動力になる場合も。mariさんも少しずつその喜びに触れ、ものづくりの世界へとハマっていったのですね。
パッと目を引くカラーや、ちょっとひょうきんな表情を浮かべる動物たち。mariさんの想いが込められた作品たちは「温かみを感じる」という言葉がぴったりだなと思いました!
(編集:megu)
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