【あの人の暮らしが素敵な理由】軸にあるテイストを大切にした空間づくりとインテリア〜リノベーションで好きに囲まれた暮らし(pupu21103さん)
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【あの人の暮らしが素敵な理由】
“インスタグラムでつい憧れてしまうあの人”の暮らし方のヒントやモノ選びなど、暮らしにまつわるアレコレをご紹介いただきます。
今回は「リノベーションで好きに囲まれた暮らし」をテーマに、@pupu21103(以下、hitomi)さんのお話をお伺いしていきます!
白を楽しみ、経年美化しているものとの暮らし
hitomi
こんにちは、はじめましてhitomiと申します。
都心に建つヴィンテージマンションをフルリノベして2年、夫と私と9歳になるホーランド・ロップイヤーのププさんの2人+1で暮らしています。
10年越しのリノベーション計画
この場所は、結婚したくらいにはもう心の中で決まっていました。自営業の職場から徒歩圏内、車がなくても生活できる環境、目の前の公園。
場所が良いので他で考えることもなく、いつか空いたらリノベしてここで暮らそう…そう決めていました。なかなか場所が空かず10年の時が経ち、ようやく計画に移せたのです。
2室の間の界壁を最小限に開け繋げる、特殊な「ニコイチリノベ」を実現してくれた工務店さんと共に作りました。内装プランニングは私が考え、ipadでイメージプランを書き、構想を実現してくれました。
設備はほぼ、サンワカンパニーさんで揃えました。価格、デザインのバランスがとても良かったからです。
構想の中にあったもの
いずれは店舗のような使い方ができる、またはセカンドリビングのような使い方ができる広い土間を作り、暮らしと共に育つ無垢オークの床材やAEP塗装、漆喰、真鍮素材、タイルなどで構築する。
味わいのあるアンティークやヴィンテージ家具を添えて、経年をじっくり楽しみながら生活する。この構想が軸にありました。
内装デザインの時点で、迎えるインテリアのテイストもなんとなく決まっていて軸にあるものがブレないので、ものを選ぶのもただじっくり「合うものに出会うまで待つ」という姿勢になっていると思います。
新たなものに出会った時は…
また、新たなものを迎える時の考え方も決まっています。
「今まで使っていたものでは〇〇がダメだった。このデザインが〇〇だったらよかったのに。色が〇〇だったら、食卓に揃って美しく見た目も美味しくなるのに。」など、現行のものでは足りなかったことを上げておきます。
そして、その不足していたことを叶えるものに出会った時、それは取替の合図だなととらえています。
もちろん、ものが戻る場所もイメージしてから迎えるので、収納できなくなったということは今のところありません。ただ、出会ったものを直感で買う!という買い方も健在なので(笑)
最低限の迎えていいポイントは常に押さえておいて、よし!迎えよう!これは出会いだ!と、ショッピングを楽しんでいるというところもあります。
突然迎えた子が来ると慌てて居場所を用意するというハプニングになるのですが、それはそれでストーリーが付随するのでその子の価値を上げることに繋がるなあ、、とも思っています。
好きなものとの出会いはほおっておけませんから(笑)
内装・インテリアの5つの軸
内装・インテリアの軸に、以下の5点が基本ベースにあります。
1.白を楽しむ
2.クリーンで自由度の高い無機質な塗装空間に仕上げる
3.アンティークを取り入れる
4.古い構造窓や梁は生かして取り入れる
5.余白をしっかり持たせてリズムを持たせたディスプレイを楽しむ
内装ベースは「白い箱」。インテリアや家具の好みが変わっても、柔軟に対応できるようにしています。
また、直線の中にあるからこそ際立つアンティークの存在、うねり、ゆがみ、経年美化したものなどを感じたい、という思いがあります。
厳選して選んでいるインテリアは、手仕事が光る作家モノであったり、時を経てゆがんだ木製家具、錆びて燻された真鍮や工業デザインランプなどが多め。
特に、イギリスアンティーク家具や北欧ヴィンテージが好きで、うちにある家具のほとんどがこれに当たります。
寝室のビューロー、鏡、小窓、照明は全て30年代~60年代のイギリスアンティークのものです。
土間とリビングを仕切る室内窓と建具は、それぞれ20年代フランスアンティークの窓と、イギリスアンティークの建具を採用しています。
この枠施工も職人さん泣かせで、本当に腕の良い職人さんだったことが最大の成功だと思っています。どの職人さんもこの現場の施工を楽しんでやってくださっていました。
毎日のように私が現場に通い、たくさん想いを伝え、一緒になって現場合わせの寸法変更を行いながら仕上げたことを今でも鮮明に覚えています。
同じくリノベーションをこれから行う方がいらっしゃれば、できる限りご自身の言葉で、責任者もしくは現場の方にやりたいことを伝えて欲しいと思います。
梁を生かしたデザインを楽しむ
また、築古マンションにありがちな立派な梁を生かした内装デザインも数カ所あります。
デメリットと思われる梁はアイデア次第で、美しく魅せるキャンバスになるかもしれませんし、収納になるかもしれません。
ひとつはリビングの横長ニッチ。もう一つは寝室側に向かう廊下上にある梁を囲った白の壁。
絵を飾ったり照明を1灯ともしてアクセントをつけたりして楽しんでいます。
そして、廊下突き当りの絵画のような浅く大きなニッチ。
ニッチを作らなければその分最大の空間を取れるのですが、たった15㎝~20㎝手前に出すことで叶うのならば、すっきりとした飾るスペースを作りたかったのです。
手間のかかる作業にも関わらず、さらには鉄芯を入れてくっきりシャープな角の際立つニッチに仕上げてくださいました。こういう細かい部分のこだわりを組んでくださり、本当に感謝でいっぱいなのです。
この美しいニッチがあるからこそ、置くものを丁寧に選び、遊べる楽しみも。毎日の生活に潤いを与えてくれます。
土間を楽しみ、たまに訪れる陽の光が生み出す陰影を楽しみ、白の変化を楽しむ。これからも、そんな毎日を静かに暮らしていきたいと思っています。
ここに住むことを10年も前から決めていて、時を経ても心変わりせずにそれをきちんと実現されたのですから驚きです。
hitomiさんの好きなものややりたいこと、インテリアへの構想も明確で、ブレない軸をしっかりと持っているからこそなのでしょうね。
内装・インテリアにある5つの軸から成るリノベ空間の作り方やもの選びに、hitomiさんらしさが表現された素敵な空間。まるでギャラリーに訪れたかのような洗練された雰囲気と、そのセンスにも脱帽しきっきりでした!
(編集:maki)
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