【暮らしのインテリア】生活の中心となる、リビングのようなキッチンを目指して〜よりよく住める「大人」のリフォーム(happa_to_ieさん)
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完成したのは、家族みんなが居心地よく感じるキッチン
キッチンは毎日の生活の中で大切な場所の一つだと思います。今回は我が家のキッチンリフォームについてお話いたします。
happaさんの前回までのコラムはこちら
居心地を大切にしたキッチンを目指して
来年で結婚して30年を迎える主婦ですが、料理は苦手です。それでも1日の多くをキッチンで過ごす私が一番大切にしたのは『居心地』。
リフォーム前のキッチンは、ダイニングに向かってカウンターがありリビングが併設されていました。こどもたちが生まれたばかりの頃に建てた家でしたので、部屋を見渡せるようにと希望しました。
しかしながら北に位置するキッチンは、カウンターがあるものの閉鎖的で「キッチン→ダイニング→リビング」と縦長のつくり。
家族が夕ご飯を食べた後にリビングでテレビを見てくつろいでいる時間は、いつも奥のキッチンでひとり。暑かったり寒かったり・・・居心地がとても悪く、もちろん片付けも億劫でした。
リフォームでどのようなキッチンにしたかったか、、決して「旦那さんと一緒に立ちたい」とかではなく、「家族に手伝ってもらいたい」でもなく、ただただ居心地のよいキッチンにしたかったのです。
生活の中心になるようなキッチン。テレビを見たり会話をしたり食事をしたり、まるでリビングのようなキッチンが理想でした。
巡り合わせを感じた、モルタルのキッチン
設計の方にお伝えしたもう一つの希望はモルタルを使ったキッチンでした。
最近はモルタルやモールテックス等のキッチンをよく見かけるようになりましたが、私がモルタルキッチンと出会ったのは4年前。本屋さんの中にあったコーヒースタンドでした。
それまではキッチンといえばキッチンメーカーが出している型が決まっているものと思っていました。でもそのコーヒースタンドのモルタルキッチンを見たときに、いつかこんなかっこいいモルタルキッチンを自宅に作りたいと明確に記憶したのを覚えています。
建築中、たまたまモルタルカウンターを造っていただいているところに伺いました。
左官職人さんに「以前本屋さんのコーヒーショップにモルタルカウンターがあって、それに憧れてこのキッチンに、、」と話したところ、「そのキッチンを造ったのは俺です!」
なんという巡り合わせでしょうか。同じ県内なのでこんなこともあるのかもしれませんが、それでもたくさんのハウスメーカーがある中、本当に何かのご縁だと思います。
その職人さんに、モルタルかモールテックスかを迷ったとお話したところ、「モルタルのこの質感は本当に重厚でたまらないですよ。」とおっしゃいました。
実際にリフォームが完成して1年以上経過した今でも、モルタルカウンターを手で触るのが大好きなのです。やはり少しひんやりした質感は格別でたまりません。
ちなみにキッチン本体はリクシルのアレスタを使っています。
主役にした照明、落ち着いた木目クロスの天井
モルタルカウンターの上には、3連でペンダントライトを付けています。使ったのは大光電機のもの(DPN-38904Y)。
ダイニングやリビングはダウンライトにしていて、その理由はカウンター上のペンダントライトを主役にしたかったから。
キッチンの天井は希望としては本物の木を使いたかったのですが、予算の関係で下がり天井にリリカラの木目クロス(LL-8783)を貼りました。
とてもいい雰囲気の木目でブラックのペンダントライトやアイアンとも相性が良く、LDKワンルームの中で落ち着いた大人の空間を演出してくれていると思っています。
整ったキッチンにするために。過去のキッチンからの学び
システムキッチンは作業スペースを最大に取るためにL字型にしました。できるだけダイニング・リビングと一体化させたかったので、カウンター部分の立ち上がりは、なるべく低くとお願いし10cmに。
手元を隠したいというよりは、いつ見ても整っているキッチンにしたくてわざと自分自身のハードルをあげています。
ではどのように整えていくのか。いつでもすっきり暮らすためには収納をしっかりと考えなければならないと思いました。
収納を大きく取って見えないように隠すか、それとも大きな食器棚を配置するか?私は過去の反省から全く逆の考えを導き出しました。
以前のキッチンには1.5畳程度のパントリーと大きな食器棚がありました。
しかし片付けができていなかったため収納容量を生かしきれておらず、何が収納されているのか把握できないままで、さらに使わないものがどんどん増えていく悪循環が起こっていました。
整えるための結論。気に入っているものだけに囲まれて
リフォームを行う際に家の解体と同時に不要なものを廃棄しましたが、以前の家にあった道具の8割は不要品でした。驚きますよね。
25年も暮らしているとキッチン道具は使うものと使わないものが明確で、食器は気に入ったものしか使っていないことに気がつきました。
8割のものを廃棄した後、改めて必要最低限の道具や食器を厳選しその収納場所を想像しました。
出した答えはシステムキッチンのキャビネットに全て収納することでした。キッチン道具・食器・カトラリー・食品ストック・保存容器等全てです。
そのためには、さらに厳選しなければならず・・・。自分で造った器は思い入れがあるものの、実際気に入って使っているのは一部で、後はもったいないからと持ち続けているものでした。
思い切って気に入っているものだけをキッチンでは使うと決めた後は、片付けもスムーズに。いくら自分で造っても気に入らないものは使わない、これを徹底しています。
自分自身を見直して。家族にとっても居心地のいいキッチン
「気に入っているものだけをキッチンでは使う」という考えは、キッチン道具やキッチン家電についても同じです。
例えば我が家には炊飯器がありません。理由は、保温したご飯が好きではないから。そのため炊飯にはお鍋や羽釜を使って、余ったご飯は全て冷凍しています。
皆さんは手持ちのお鍋でお米を炊いたことはありますか?普通の水加減をして沸騰したら弱火で10分、火を消した後15分蒸らすとしゃきっとしたご飯が炊けるのです。
コンロに付いていなければ炊けないので予約タイマー等はできませんが、いつでも食べたいときに炊きたてのご飯が用意できます。お米を洗って30分ほどでしょうか、おかずを用意している間に炊けてしまいます。
このように自分自身の行動を見直し、好きな素材を組み合わせることでお気に入りのキッチンができあがりました。
キッチンの詳細については、全体のまとめとしてまた今後のコラムでお話したいと思っています。
不思議なことに今まで全くキッチンに立たなかった主人や息子が、キッチンに入り自らコーヒーを淹れたりするように。
私だけではなく、家族にとっても居心地のよいキッチンになったと感じています。
モルタルカウンターに木目の下がり天井がぴったりとあっていて、happaさんのテーマでもある「大人」なキッチン。全体がしっとりとまとまっている眺めから「好きなものだけ」というのがよくわかります。
モルタルカウンターに惹かれるきっかけとなったキッチンを作った方に、自分自身の家づくりで出会うなんて驚きですね!話を聞いた職人さんはさぞ喜ばれたのではないかと想像しました。
リフォームをする時って、もっと広くして収納もたっぷりにしてと考えがちかもしれませんが、happaさんのキッチンは逆に収納量は減りました。
8割のものが減ると自分のいるものといらないものがより明確になってきますし、おっしゃるように気に入っているものだけに囲まれた暮らしに繋がりますよね。
私も含めて多くの方がそうしたいと願っているはずですが、実現するにはなかなかハードルが高い作業をしなくてはなりません。
ちょうど過ごしやすい季節ですし、年末までには少し時間もあります。いつかいつかと思わずにはじめるにはちょうどいいタイミングなのかもしれません。
happaさん、ありがとうございました!
(編集:kaori)
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