「偶然」と「設計」から生まれたやすらぎのあるお家。m__koti.2さんのLDKを探索!
- 読みもの
視線が抜けて行く、感覚で感じる広さ
真っ白な壁とオーク材を中心とした北欧テイストのおうちにお住まいのm__koti.2さん(以下、kotoriさん)のLDKをご紹介していきます。
明るく開放感のあるLDKですが、天井の高さでメリハリをつけた「こもり感」があったり、偶然出会った土地から、毎日異なる眺めがある予備室まで、コダワリが詰まっています。
ところどころにあるニッチの使い方や、遊び心を取り入れた和室や書斎もとても参考になりますので、ぜひご覧ください。
(※記事の中での規格は建築時のものです。現在の最新の規格はメーカーの商品ページ等をご参照いただけますと幸いです。)
「こもり感」でメリハリを実現したリビング・ダイニング
広さではない、開放感の演出
kotoriさん
リビングは吹き抜けで開放感を持たせ、ダイニング・キッチンは落ち着いて過ごす空間として天井が低めの設計になっています。
天井って何となく高くしたくなりますよね?
でも、「ある程度の密着感があった方が人の心理として落ち着く」というのがあるとお願いした工務店の方が話されていて、それを「こもり感」とも呼んでいました。
そのため、あえて天井を低めにし、我が家では標準の天井高は2250mmになっています。メリハリをつけることで、吹き抜けの開放感がより感じられます。
リビング・ダイニングには大きな壁もないので、初めて来た方は玄関からLDKのドアを開けると「わぁ〜!」と驚いてくれます。
でも、実は畳数で言うとあまり広くはありません。
リンビング約8畳、ダイニング約2畳、和室が4.5畳と、キッチンを含めたLDK全体でも20畳ないくらいです。
玄関から引き戸を開けると、和室とトイレの壁に挟まれた狭い通路から、LDK全体が見渡せて、さらに吹き抜けになっていることで視界が奥と縦に急に広がるので、実際より広く感じられると思います。
そう言えば、オープンハウスで見学に来られた方に畳数を聞かれ、営業さんが「畳数はあまり言いたくないんです。畳数に惑わされずに感覚で広さを感じてほしい。そういう設計をしています。」とも言っていたのを思い出します。
吹き抜けは憧れ、明るい陽射しが毎日を豊かにする
都内の狭小住宅に住んでいたので吹き抜けは憧れでした(笑)設計段階から吹き抜けの窓側にソファを置くことを決めていたので、外に面していますが掃出し窓にはせず、腰窓にしています。
吹き抜け上部の窓も、腰窓サイズです。
掃出し窓サイズにすることもできますが、寒冷地なのでガラス面が多くなると冬はどうしても冷えます。加えて、ガラスよりは壁部分が多い方が建物自体も頑丈になるので必要以上に大きな窓は入れていませんが、十分明るいです。
白い生地のバーチカルブラインドから透けてくる光で十分明るいため、ほとんど開けることもありません。
夫は、設計段階ではスペースがもったいないから2階の部屋にしてもいいのでは?と最初は言っていましたが、住んでみたら吹き抜けにして良かったと言っています。ソファに寝転ぶと見える、シナ合板の天井とシーリングファンが大好きです♪
サラッとした肌触り、無垢の床
オーク3層フロアのリボス塗装で、そのままの無垢材ではありません。3層貼り合わせで反りやゆがみもなく、リボス塗装はお手入れいらずです。
水分を放置するとシミになったり、濡れた布でごしごし拭くと塗装が落ちますが(布が茶色くなる)、さっと拭けばシミも残らず、工務店の営業さんの自宅が同じ床材で、10年ほど特に手入れはしていないと言っていました。
冬には冷たくなりすぎない、夏はサラッと足の裏が気持ちよく感じる天然木の床材はやっぱり良いです!
北欧デザインの家具でナチュラルテイストに統一
北欧デザインや名作椅子が好きで、ダイニングには学生の頃から夢見ていたセブンチェアとYチェアを置いています。
結婚当初にセブンチェアで揃えましたが、もうなかなか無い機会と思い、新居で憧れのYチェアを2脚追加しました。
テーブルはシンプルなオーク材の飛騨高山の家具。ペンダントライトは北欧のライトイヤーズ社のカラヴァジオです。
おうち造りにも遊び心をたっぷり取り入れる
毎日違う景色、それだけでも充実する
kotoriさん
我が家は二階に予備室という使っていない主に来客用の部屋があります。予備室の窓からの眺望が本当に最高で、四季折々家にいながら自然を体感できます。
ただ、家の中から景色が見えるのは憧れてはありましたが絶対条件ではありませんでした。
設計段階で、眺望に関してネットで調べていると、「それを絶対条件にすると住宅地ではいつ隣に家が建つかも分からないので、かなり土地選びの条件が絞られてしまう。家の近くでちょっと外に出ればいい景色が見えるような土地くらいが良い」という内容を目にし、確かにそうだなと納得し特段コダワリはしませんでした。
土地探しは程良くのどかで、大規模分譲地ではなく(うちは8軒の分譲地です)、市街地に出るのが便利な場所、という条件でたまたま見つかったのが今の土地でした。
線路際なので隣接して家は建たない、さらに線路向こうの土地は公道に面していないので道路を作らない限り家が建てられないといことで、眺望も保てる土地でした。
電車の音がするというデメリットはありますが、一時間に1本程度の運行ですので、さほど気になりませんし、田舎特有の車両数も少ないので、走行音も気になりません。
線路際という以外のデメリットが無かったので、営業さんに「土地は満足度60%位のところで大丈夫です。残りの%は家の設計で埋められます。」と言われたのも、決めるポイントでした。
せっかくこの眺望なら!ということで、設計士さんが大きなFIX窓をつけてくれました。足元の引き違いの窓から、山からの涼しい風が入ってくるので最高です。
その代わり強烈な西日が入る場所でもあるので、できるだけスッキリと視界の邪魔をしない遮光とレース生地のプリーツスクリーンを入れたのもポイントです。
ちょっとだけモダンテイストも
和室は導入しようかどうか迷ったところでもありますが、義両親が泊まりに来た時に階段の上り下りをせずに1フロアで過ごせるように寝室としても使える機能を持たせて採用しました。
押入れも設置して布団を2組収納できて、仕切り戸を閉めればリビングと隔離した個室スペースになります。
琉球畳は絶対に入れたかったです。
襖に畳に障子にと、しっかりとした純和風の和室仕様ですが、シナ合板の建具にヘリなしの琉球畳、横枠だけのデザイン障子でモダンな雰囲気になって、洋室と隣接していても上手く馴染んでいると思います。
北欧ファブリックのパネルなどもポイントです。
押入れ+4.5畳と狭い空間ですが、吊り押入れにして床部分は実質1畳分広くなっていることと、その部分を濃い色のアクセントクロスにすることで奥行き感が出て広く感じると思います。
大きな開口で繋がり感を持たせつつも、アクセントを入れて個室感も出しているつもりです。
ニッチを活用してインテリアに変化を
特にこだわったのはダイニングのニッチでした。
ダイニングテーブルは旧居から持って行くことと、置く場所も決まっていたので、予め設計士さんに寸法を伝えて幅と高さをテーブルに合わせて作ってもらいました。
ニッチにティッシュボックスを置けるようにしたことで、テーブルの上には何も置かなくて良いし、奥まった所に置くことで生活感もあまり出ないのでお気に入りです。
また、2階の吹き抜けフリースペースの腰壁に作った向こうまで貫通しているタイプのニッチは、工事も始まっていて、ギリギリのタイミングで急遽追加してもらいました。
フリースペースに椅子でも置きたいから、腰壁にマガジンニッチが欲しいと言ったところ、設計士さんのアイデアでアシンメトリーな飾り棚も提案してくれました。
向こうまで抜けていることで、腰壁の圧迫感が軽減され、リビングから見上げた時にもちょっとポイントになるのでお気に入りです。
光も抜ける明るい場所なので、ガラスの小物を置いて楽しんでいます。
因みに、このフリースペースに手洗い場を設置しましたが、毎朝寝室から出ての目に入る清潔感あるこの眺めはお気に入りです。
2階に水栓があると、掃除や加湿器の給水などに便利で、やっぱり設置して良かったです。
ちょっと隠れ家的な書斎も
ダイニングスペースの裏側に2畳ほどの書斎があります。
もともと壁で隠す予定はなかったのですが、工務店さんの隠れ家的な方が書斎っぽさも演出できるというアドバイスで、LDKからは見えない作りになっています。
そのため、中は濃いブルーのアクセントクロスを使えたり、自分たちの好きなものを置いたりと遊びの幅が広がったと思います。
あとは、壁で隠れていることで物を隠すこともできるので、急な来客時とかには重宝できます(笑)
キッチンメーカー:リクシル/ASシリーズ(ビルダー向け)
kotoriのキッチンサイズ
全長:2550mm
奥行き:600mm
高さ:900mm
デザイン
天板:人造大理石/ぺブルホワイト(標準)
その他
食洗機:あり
水栓:リクシルの自動水栓「ナビッシュ」
背面収納
メーカー:リクシル
サイズ:幅1800mm
飾り棚の幅と奥行き:1800×240(A4サイズのレシピ本が立てられる奥行き)
kotoriさん
見せるタイプのアイランドキッチンではないので、なるべくコストを抑えるため「普通に使いやすければいい」割り切りポイントとして工務店の標準仕様のものをそのまま入れました。
ただ、私は比較的背が高いので高さを50mm高くし900mmにしたことと、自動水栓、食洗機を追加、レンジフードはちょっと横からの見た目がイマイチだったので、グレードアップしました。
白いキッチンに憧れていて、でも鏡面のホワイトだと少しモダンな感じになるので、マットホワイトにしました。
背面の造作棚には大好きな北欧雑貨を飾りテンションをあげています。
飾り棚に飾る食器や雑貨は白を基調とし、ゴチャゴチャしないように意識していますが、最近ちょっとモノが多いかな〜なんて思ったりもしています。
また、薄いブルーのアクセントクロスを採用していますが、ちょっと色味がイメージと違ったこともあって、ペイントしたりタイルを貼ったりDIYしてみたいな、なんて思ったりもしています。
数年前にこの街と出会い、都内から移住してきました。
今では、運良く見晴らしの良い土地に出会い、惚れた自然と毎日向き合うことができて幸せを感じています。
ご紹介した通りで、家具の位置や、これから購入するインテリアのサイズや置き場をイメージしておくと、それに合わせた設計ができるのでオススメです。
我が家は、まだ家を建てるのは1年後くらい?とぼんやり思っていただけで、全く具体的に考えていなかった時に、たまたま出会った地元工務店のモデルハウスに一目惚れし、良い営業さんと良い設計士さんに出会い、あれよあれよと建てることになった、ご縁に恵まれた家づくりでした。
いかがでしたでしょうか。
仕事柄、インスタグラムをよく徘徊しているのですが(笑)、kotoriさんの山々を眺める写真を見て、思わず自分の地元を連想し、そのままkotoriさんの暮らしを拝見しお声がけいたしました。
土地との出会いや、偶然が生み出す景色とかって注文住宅の醍醐味かなと思います。
勿論、住み慣れた土地で想定の範囲で建てることはリスクもないのですが、建てたあとに四季を感じたり、想像していない日常が訪れるのってロマンがあります。
ちょっと壮大な言い方になりましたが、それくらい奥深いな〜なんて改めて感じさせてくれました。
kotoriさん、ご協力ありがとうございました♪
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